見出し画像

わたるくんの秘密が、明らかに!

れな「リカおねえさま! ずっとわたるお兄さまひとすじだと思っていたのに……。あんまりです!」


思わず、なみだぐむれな。

れな「れんくんって、いさむくんって、かけるくんって、誰ですの? いさむくんに至っては、二代目いさむくんとか、フレッシュいさむくんとか、わけがわかりませんわ!」


さくらこ「リカおねえさま……、7人もの男の人と付き合っていたの? そんな、そんな、それって……。」


れんと「しりがる、って言いたいのかな?」


れなとさくらこに、蹴り飛ばされる、れんと。

れな「これを見てください!」

あらあらまあまあ、確かに年表に沿って行くと、全部で7人のボーイフレンドがいる。ボーイフレンドたちも、いろいろ微修正しているようだ。

「ほーっほっほっほっほ―。」


リカが、高らかに笑う。

れな「お姉さま……。なぜ笑うの?」
さくらこ「ひ、ひらきなおり……?」
れんと「やっぱり、しりが……(ドスッ、ガスッ! れな&さくらこ)

リカ「やあねえー。わたしはわたるくん、ひとすじよ♡」


わたる「だよなー。リカちゃん♡」


リカ「だって、あのボーイフレンド、みんなわたるくんですもの♡」


れな&さくらこ「ええー?」
れんと「どういうこと……?」


リカ「ほらあ、わたるくん、最初髪の毛、書いてあっただけじゃない?」


わたる「そうそう。タカラ(当時)の偉い人に散々お願いして、でもダメでさあ。」


リカ「だから、わたし言ったの。新しいボーイフレンドなんて嫌。わたるくんじゃなきゃ嫌って。」


「えええー!」
驚くことしかできない、れなとさくらこ、そしてれんと。

リカ「つまりねえ、あれ全部、わたるくんなのよ。」


わたる「えっ! そうだったの! だから、急に髪の毛が生えたり、顔いじられたり、他の人が違う名前で呼ぶようになったのか!」


れな「わたるお兄さま……。気づかなかったの?」
さくらこ「でも、最近のボーイフレンドには、わたるお兄さまの面影すら残っていないわ……。」
れんと「体の素材も、ずいぶん違ってない?」

リカ「こら! れんと! 人形に素材変更や微調整はよくあることなの!」


わたる「時代とともに、変わらなくちゃいけないからなあ。(遠い目)」


でも、リカおねえさまは、そこまでの大改造をわたるお兄さまに強いてまで、一緒にいたかったのね、とれなは思った。

れんと「だから、髪が生えるまで物語が長いんだな。よーくわかったよ。」

わたる「最新のボーイフレンドになるまでの涙の物語を、3日かけて話してやってもいいんだぞ~。」


れんと「ひ~! 勘弁してくれー!」


れんとは、どこかに逃げて行ってしまった。
れなは、さくらこちゃんと話しながら帰った。

れな「初代のわたるお兄さまの、どこをどうやれば7人目になるのかわからないけど……。」
さくらこ「うん。」
れな「ふたりは、きっとずっと一緒の、バカップルだね!」
さくらこ「うん! でも、れなちゃん。バカップルって、ちょっと古いよ。」
れな「えーーーーーー!」

わたるにどんな改造がされたとしても、どれほど見た目が変わっても、わたるくんが好きというリカお姉さま。
れなにとっては、これからも憧れのふたりなのだった。

よろしければ、サポートお願いします! いえ、充分、サポートされていると思うのですが。本当にありがとうございます!