子孫を残す事が当たり前だと押し付ける社会


正直に言うと、私は子どもを作る気が無い。

身体に問題があるとかそういう訳ではなく、意思が無いのだ。


子どものいない生活に満足しているし、そもそも必要性を感じない。

というか、私の子どもは絶対に不幸になる自信がある。よって、子どもを作らない事が最大の子孝行なのだ。


しかし、この社会は

「子孫を残すことが当たり前」と大多数の人間が決めつけている。



私は現在33歳。既婚。子供無し。

24歳の時に結婚したので、結婚してもうすぐ10年になる。


そしてこれだけの長い結婚生活、更には年齢になると会社の飲み会でほぼ毎回年上の人間がこう言ってくる。


「早く子ども作って育てなきゃ」

「子どもを育てて初めて一人前の大人になれる」

と。


私はこの言葉に毎回違和感を覚える。

「子どもを作るかどうかなんて個人の自由だろ」と。

もちろん先輩方も本気で言うというよりは、話のネタというか軽い感じで言っている。

なので、自分も軽く流すことが多い。



そもそも私が思うのは

「なぜ子ども作るのが当たり前」という考えになるのか

それが不思議でしょうがない。


私は子どもを作る事はあまりにもリスクが大き過ぎると考えている。


子どもが大きな障害を持つかもしれない。

子どもが将来犯罪を犯すかもしれない。

子どもが犯罪に巻き込まれ、生きるのが苦痛になるほどのダメージを負うかもしれない。


他にもあるが子どもを作る事のリスクの多さを考えると、とても子どもを作ろうという気にはならない。


もし、子どもが生きる事が嫌になる程の出来事に出くわしたとしよう。

その時子どもから

「なぜ自分を生んだんだ。こんな世の中なら生まれてきたくなかった」と言われたらどうだろう。

私は返す言葉が見つからない。

もちろん親の教育である程度の事はカバーできると思う。

しかし、子どもの事を24時間365日見守る事など絶対できないのだ。



子どもを作る事という事は100%親の意思だ。子どもは抗えない。

子どもは子どもの意思など関係なく、勝手にこの世に放り出される。

あまりにも無常だ。



ある時、私がこういう考えを持っていると伝えた上で、子どもが2人いる後輩に「なぜ子どもを作ったの?」と聞いてみた。


その答えは

「可愛いから」

という返答だった。


私は驚いた。

「可愛いって…え?ペット感覚?なら犬や猫でもよくない?」

と思ったが、ここからは何も言わなかった。

色々言っても、ただ面倒くさい先輩になってしまうだけだったから。


だがむしろ、これぐらいの感覚でなければ子どもを作るという選択はできないのかもしれない。


勢いで作って、授かったら覚悟を決めて育て上げると決意する。

そうして人類は子孫繁栄を成しえてきたのかもしれない。


だが、私は今後も子どもを作ることは無いだろう。

子孫がどうとか、血筋を絶やさないとかは関係ない。


子どもを作らない。

それが私にとって、一生会うことのない子どもにしてあげられる最大の孝行なのだ。



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