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女風セラピストと恋愛の始まり

(今日よろしくね〜
彼からのLINE

どんな顔して会えばいいの?
何を話せばいいの?
頭の中が忙しくなっていた

事前に教えた私の仕事場に来る
私しかいないし
私のテリトリーだから安心できる

玄関のドアを開けると彼がグイッと入ってきた

彼との距離が数センチになって
私の心臓が飛び出すくらいバクバクした

久しぶりで恥ずかしくて
彼のスニーカーばかり見てたっけ

久しぶりの再会
ずっと忘れられなかった人
ドキドキしかしない

当たり障りない会話でもすごく楽しい
楽しませるプロ

楽しい時間があっという間に時間が過ぎて
彼が帰る時間になってしまった

今日はありがとう。久しぶりに会えて嬉しかった。
2人とも同じタイミングで言った同じ言葉

次の瞬間、彼の顔が近くなった
私の視界には彼の唇しかなかった

懐かしい匂い

大好きな匂い

嬉しかった


彼が帰ったあとLINEが来た
(今日はありがとう!やっぱりcotoは可愛いしキスできて嬉しかったよ

私、ホントに彼と再会したんだ…
キスもしたんだ

まだ夢の中にいるようだったけど
仕事場に確実に残った彼の香りが
真実だって教えてくれた

それから数日後に彼から会いたいと連絡が来た
先日の出来事は"彼の気まぐれ"だろうと思ってたから
正直ビックリした

のちに彼に、
なぜあの時会いにきてくれたのかを訊ねたのだが
答えは「わからない」だった

1月最後の日、再び彼が私の仕事場に来た

今度いつ会えるか分からない人
バレンタインのチョコとキャンディを渡し
彼が買ってきたお酒を飲んだ

楽しく話していた空気が急に変わった
彼が私を引き寄せキスした
言葉は必要なかった

今までの会わなかった時間を埋めるように
自分の記憶の中の彼と
目の前の彼が同じなのかを確かめるように
私の手は彼の顔をなぞって
首から背中へ移動して
ギュッとギューッと強く抱きしめた

大好きな彼だ
また会えたんだ

その後はよく覚えていないくらい夢中でせっくすした

彼の笑顔が柔らかくて
ただ幸せだったことだけ覚えてる

また連絡するね
そう言って帰った彼を見送りながら
嬉しかった気持ちと同時に湧きあがった
自分自身への嫌悪感

私の望む幸せを手放した瞬間だったのかもしれない




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