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210410(Sat)シュガーズライブ@愛知・御器所COTAN

この記事のライブは4/24(土)まで購入・視聴可能↓

あらためて「ハジメマシテ」をした日

すでにライブを配信・アーカイブで見た人も多いかと思うので、会場限定のエクストラステージの話からしよう。演奏されたのは<The Longest Time/Billy Joel>。10か月前、グループのYou Tubeチャンネルに『シュガーズよりご挨拶』というタイトルで、グループの始動を告げ歌われた曲…いわば間接的に「はじめまして」をしたあの動画だ。ライブのスタートからもう2時間近くが経っていたにも関わらず、ここでようやく、あの日、あの瞬間に、確かにこの「シュガーズ」というグループに出会った事を実感した。1年以上ぶりにライブ会場へ足を運んだ自分には、それくらい夢なのか現実なのか区別のつかないライブだった。

メンバーもブラウンのスーツでキリッと登場したものだから、こちらもより緊張感が高まる。そのため前半は本当に記憶がない(断言)。あれだけSNSで❝飯テロコーラスだ!❞と騒いだ<フライデイ・チャイナタウン/泰葉>でさえも、楽しむ余裕がなかった。振り返ると6曲目<渡良瀬橋/森高千里>を聴くまではガチガチだった。どちらかと言えば“飛び道具”的な印象のあったPANGさんの繊細な歌声。そこで予想外に心をほぐされたものだから、続いたHEROさんによる<しあわせのランプ/玉置浩二>の沁み入り方が尋常ではなかった。一緒に見ている観客もいることで、手拍子・拍手から一体となる共感で空気が暖かくなることも感じられる。これは部屋でリラックスした状態で聴いていた1年間、感じていなかったものだ。ずっとモヤモヤしていた「配信は楽しいけれど物足りない」の正体がこれか。やはり音楽にはライブ会場でしか体験できない感動もある。

まぁるくきれいに。磨かれた1年にふれる。


2ndはパッと明るくラフな衣装で登場。セットリストもお得意の❝わちゃわちゃ感❞があふれ出す。この “わちゃわちゃ感”はグループに出会った時(前身時代含む)に感じた特有の武器だなと思っているところで、メンバーが変化してどうなるかと気になっていた。親しみやすいメンバーと声が持つぬくもりは、球体の万華鏡のように景色を変え、聴きなじみのある曲たちも新鮮な角度で楽しませてくれる。MVでメンバーが何度も疾走するシーンが印象的な<僕らは唄うよどこまでも>は、オリジナルの歌詞をつけた彼らのテーマソング。ここでまた会場ならではの楽しみ“躍動感”を思い出せた。ステージのどこを見るのが正解だったか…と目も泳いでいたので、メンバーが生き生きと輝いて見えた瞬間に、ぼんやりしていた感覚が戻ったのだ。途端、MCでもEchoさんの瞬発力あるツッコミに感動するなど、急激にワクワク感が高まった(リハビリしてるみたいだな…)。

グループの時代を繋いだ新旧リーダーIWAjI・HEROさんの持つ誇りと、新時代を築くEcho・Shinya・PANGさんの持つ柔軟さ。美しさあり、かわいらしさあり、元気あり、少しの切なさあり。特に注目したのが「美しさ」。配信で聴いていて、驚きを感じた部分にバラードの聴きごたえがあった。それを最も感じられたのが、この時季ならではの<桜月>というオリジナル曲。桜の美しさと散っていく儚さを恋模様に重ねた失恋ソングだ。ここではじっくりコーラスに耳を傾けてみる。先ほど新メンバーについて「柔軟さ」という言葉を遣ったのだが、それは各々の声の特徴にも言える。特にEchoさんは画面越しで聴くより柔和だった。そっと寄り添うコーラスが曲の世界観をより映えさせ、個人的にはとてもイメージアップした曲。彼らと共に春を迎えるのが待ち遠しくなる1曲になった。


どこにいても繋がれる時代に感謝!

待ち遠しいと言えば、このライブを見て彼らのCDがより楽しみに。シュガーズは現在、6月5日に神戸ポートオアシスで行われる1周年記念ライブ&初CDリリースのクラウドファンディングを実施中(4月28日正午まで)。MCでも限定グッズの裏話が語られ、全メンバーがイラスト制作に挑戦した個性ある仕上がりとなっているようだ。特に手元に届くまでシークレットとなっているHERO・Shinya両画伯による『(絵心に天と地ほどの差がある)クリアファイルセット』は今回の説明を聞いて興味深く思った。ぜひ各セット内容をもう一度じっくり覗いてみてほしい。

ライブは<歩いてかえろう/斉藤和義>・<Sugar Baby Love/The Rubettes>のアップナンバーでラストスパート。シュガーズとの時間を少しでも刻み付けるため、ここぞと手を振り上げて応えた。アンコールでは<何処かの街の君へ/大橋トリオ>を生声で披露。今回、自身も散々悩んだ末、一歩踏み出して会場へ向かった。グループと観客を取り巻く環境は変わってしまったけれど、この1年飽きることなく過ごせたのは、紛れもなく彼らの存在があったからだ。聴き手がどこにいても、ステージに立つ彼らの想いは、ずっと変わらないまま。思えば昨年中止になった春ツアーは今頃の参加予定だった。素敵なグループになって、素敵な春を連れてきてくれたことに感謝。信じて画面を眺めてきた甲斐がめちゃめちゃあった。状況は一進一退だけれども、少しでも安心してライブができる日が来る事を、続けて祈ろうと思う。そして、出会ってほしい。


終了後にステージ際を通った際、ふとメンバーの残像が見えた気がして立ち止まる。数分前のエネルギーが薄明りでひらひら。めずらしい色の桜だな。思えば終了後に定番だったお見送りも、今はない。だからせめて、彼らがこの状況下で精一杯開花させた、勇気と希望に染まったそれが散って消えちゃう前に、ステージに一礼をした。
ぎこちなさでスタートしたシュガーズの初ライブは、前半に歌われたパワーみなぎる曲たちを受け止める事が出来ず、少々悔いが残った。それならばまた行くしかない。こんなにきれいな桜を咲かせるグループなら、応援するしかない。シュガーズはいいぞ。

★シュガーズホームページ&クラファン

★このライブの購入・視聴はこちらから↓(4/24まで)


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