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「わたしのウナギ研究」 海部健三さん

今回は「わたしのウナギ研究」というタイトルで著者 海部健三 2013年4月第1刷、2014年2月第3刷 さ・え・ら書房発行の書籍を読んだ後の自分の思いをしたためたいと思います。

この書籍は著者が大学院をやっと卒業されて職業としての研究を行うようになってから2年が経過するタイミングで科学の現場を伝える本を書く機会に恵まれて著された若き研究者の書籍です。

ウナギの研究に関してわかりやすく、しかしながら研究した結果やプロセスを記した読み物というよりは記録ベースの書籍です。 岡山県の旭川と児島湾でウナギの生活研究をされた若き研究者(著者)の研究記録をイラストを使って分かりやすく解説し、エピソードやその時の苦労話、鰻にかかわるトピックスを織り交ぜて読者に読みやすい内容になっています。ウナギに関して下記のように多様なテーマ(節)で盛りだくさんの内容に関して書かれています。

第1章 うなぎを研究する

第2章 うなぎ研究の今

第3章 研究の現場から

第4章 これからのうなぎ研究

あとがき

 読み終わった後、いろいろな内容を思いめぐらすと海で生まれて川で育つウナギの研究は、内容テーマが幅広く、また深く、新しい発見ばかりでした。淡水でも海水でも、また、両方の水が混在する汽水地域で生息できたり、卵の誕生がマリアナ海溝で。そこから1周回遊してまた産卵に戻るとこの広範囲な動きの生態にまず驚きました。

著者がウナギの研究に至った背景はどこから来たのかということにも興味を持った私としては、著者の軌跡をたどらざるを得ませんでした。 いろいろと資料を参照してみますとウナギの研究に行くまでに幅広く経験されて大学の社会学部を25歳で卒業されたあと、予備校の講師をされていた時に理科系の授業を受けもったことから面白いということで興味をもたれたようです。その後、大学院に入りなおされて農学部生命科学研究科の博士課程を38歳(暦から計算)で修了されて、助教をされながら保全生態学および水中生物音響学を専門とされて活動されていました。現在では中央大学の法学部の教授をされておられる文理両方のバックグラウンドを持たれるかたで授業を受ける学生も専門授業の中身ばかりでなく、それ以外の話をもいろいろと聞けるという意味では、本教授にめぐり合われた学生はいろいろ刺激を与えていただくきっかけをもらえている幸運な方たちと思います。

今回はウナギの研究から著者の大学卒業されてからの現在に至るまでの活動や人生の変化、経験などが知れて自分のこれからの人生の歩み方、生き方の参考にもなりました。



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