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エンジニアリングマネージャーが後任に引き継ぎをするまでの道のり

この記事は『LITALICO Advent Calendar 2023』12日目の記事です。

また、11日目の下記の記事のアンサー記事を少し意識してみました。記事内の「上司」が自分です。
https://qiita.com/H-Asakawa/items/91f68b070f40303b366a

「引き継ぎ」といっても、実は自分もまだEMを兼務していて、ダブルマネージャー体制の状態ですが、既にほとんどの業務を後任が実施しており、自分はダブルチェックや個別の相談にのるくらいなので、スタートラインとしての引き継ぎはうまくいったと言ってもいいのではないかと考えています。

もちろん、どんな業務にも「これさえ分かればOK」という特効薬はないと思います。EMも非常に有機的な役割であるので、引き続き様々な経験や実践を積んでいく必要があります。

新任EMがこれから自ら前に進めるように、前任EMの私が意識していたこと、実践したことを紹介しようと思います。


まえおき

  • 筆者について

    • LITALICOへ新卒入社、この2023年12月で在職11年経過

    • LITALICO発達ナビ の開発チームEM 4年経過

    • 2023年10月より、新任EMを立て、ダブルマネージャー体制へ

  • 後任を立てた最近の自分は、エンジニア組織のHRBP業務に力を入れています。

対象読者

  • なにかしらの自分の業務を後任に引き継ごうとしている方

  • 後任マネージャーの育成、引き継ぎを行うマネージャーの方

  • 現任マネージャーから、マネージャー業務を引き継ぐ予定の方

やったこと

業務の棚卸しと委譲レベルの確認

後任EMと一緒にデリゲーションポーカーを実施し、EMの業務の棚卸しとともに、後任へ引き継ぎができていないものの可視化を実施しました。

まずは、お互いにマネージャー業務を書き出してみて、それぞれの現在の委譲レベルの確認と、引き継ぎ後のあるべき委譲レベルのすり合わせを行いました。

実践とフィードバック

次に、あるべき委譲レベルに向けて、引き継ぎドキュメントの作成や、後任が実践したことを日々フィードバックしていきました。特に、何かの出来事に対して「自分ならどうするか」を伝えながら対話し、EMとしての判断軸のすり合わせに務めました。

日々発生する出来事は、マニュアルや教科書に載っているものばかりではありません。むしろ応用問題の連続です。
例えば、

  • サービスの障害・トラブル対応の技術面以外の部分

  • 人同士の会話で発生するすれ違いの解消

  • 対チーム、対スタッフ、他チームのマネージャーなど、ステークホルダーに対する自身の見られ方、発言や成果物

など、「課題」が顕在化したものだけでなく、あらゆる場面で自分が伝えられること、うまくできていることも含めてフィードバックした方がよいことを探し、1on1やチャットで伝えました。

資産の引き継ぎ

並行して、車輪の再発明に時間を使わないよう、自分がEMとして4年間で培ってきたノウハウ、暗黙知をできる限り見える化するように務めました。

  • 自己管理

    • マネージャーは事業や経営のミッション実現に向けて、多岐に渡って柔軟に動くことが求められる

    • すなわち、マネージャーとしての働き方 = 時間の使い方が重要

    • そのうちの一つがタスク管理の方法(詳細は元記事参照

  • 業務の棚卸し、マニュアル化、動画化

    • 自分が新たに作ったマニュアルもあれば、社内の公式マニュアルを集めた資料集的なものも

    • 合わせて「なぜこの作業が必要か?」から説明し、自分がやっていたことを、今後より効率化・省力化、発展させていけるように

    • また、必要なときに自分のペースで見返せるよう、会話を録画

終わりに

当たり前ですが、会社やチームを組織として進化させていく必要があります。
後任の方が自分と同じ困りで躓かないよう、作り上げてきた資産を引き継ぎつつも、自分の「型」を押し付けるのではなく、その人らしいマネジメントができるよう基礎固めと後押しをするつもりで取り組んできました。
EMに限らず、何か業務を引き継ごうとするタイミングで、この記事が参考になれば幸いです。

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