Day_04★「家族への思い」の伝え方①まずは考えてみよう

突然死も長生きもどっちも怖いな～、と思っているビビりのメガネ★mocoです。66日ライティングxランニング（シーズン2）も今日で4日目。
これに便乗して、やりたかった自分なりの終活を「考えながら実行」することにしました。

歩んできた人生のルートによって「終活」に対する意識ややり方には違いが出てくると思います。
また、家族関係や資産や生き方によっても手段やステップも違って当然ではないでしょうか。

だから、私がここに書くことについては次のように思ってもらえると嬉しいです。

メガネ★mocoっていう人はこういう考え方をするのね。
ここは私と違うわ。
ここはちょっと共感できるかも。
それくらいならすぐにできそうだからやってみようかな。
私にはまだ早いかな。
あ、あの人になら合うかも。などなど。

さて、ここで私の思い出話を聞いてください。

私は自分の職歴のほとんどが生命保険の営業職でした。今は気楽なコールセンターのオペレーターです。
とあるきっかけで生命保険業界から離れることになりましたが（この話はいつかまた別の機会に）たくさんのお客様とお話ができたことは私の心の財産になっていると思います。

私の場合は、特にがん保険をメインに仕事をしていました。
歴史のある代理店勤務だったので、がん患者さんの生の声をたくさん聴くことがありました。
その中でがん患者さんご本人のお話もご家族のお話もたくさんお伺いしました。
その方は退職後の二人暮らしのご夫婦で、少し年上のご主人は無口な方でした。奥様のがんの入院給付金手続きのお手伝いで訪問するようになったのがきっかけでした。
お庭いじりが好きで、チャーミングな笑顔の奥様。趣味と実益を兼ねて野菜を育て始めたけど、虫がいっぱい来るのよ、と眉をひそめるお顔もかわいらしくて大好きでした。

奥様はご自身の罹患をきっかけに、息子さんのがん保険を用意したいとご相談を受けていたので、時々、近くを通るときなどにお顔を拝見しに立ち寄ったりしていました。

その日は、保険料の引き落とし口座の変更のための訪問でした。

生命保険は保険料の引き落としが滞ると「失効」といって保険の効力がなくなってしまいます。
掛け捨ての保険には返金はありませんし、新たに加入しなおすと、保険料も高くなります。しかも、健康上の問題があれば申し込みすらできないという可能性もあります。
保険料の支払いのために、お金を入金する必要がある口座だと、入金する人がうっかり忘れたり、入金できない状況になってしまうと、保険が失効してしまいます。
生命保険のメンテナンスや見直しは、保障内容を増やしたり減らしたりするだけではありません。
保険料の引き落としは地元に店舗のないメガバンクなのに、給付金の受取口座は地元銀行だったので、このままで問題ないですか、と確認すると、変更したいとおっしゃったのでそのお手続きの訪問でした。

都会で暮らす息子さんとの送金のために口座は残すけれど、保険料の引き落としには生活口座（年金振込口座）である地元の口座を指定していただきました。

「終活ってよく聞くからやってみようと思ってエンディングノートを買ってみたんだけど、これ、どうにも書けないのよね。書くのが難しいわ。」

何度か訪問する中で、しばらく前からテーブルの上にエンディングノートが置いてあることに気が付いていました。

ちょうどそのころ、私自身もエンディングノートを買って書いてみようとトライして挫折したばかりだったので、「わかります。私も必要かなと思って書こうかと思ったんですけど、量も多いし項目も全部を埋めるのが難しいと思いました。」と正直にお話ししました。

すると、奥様は目を輝かせて「嬉しいわ、わかってくれて。他の保険会社の人は頑張って書いてくださいって言うからなんだかつらくなっちゃって」と。

お話を伺うと、最近、がんの治療効果が芳しくないので、いろいろと覚悟しなければと思うようになったとのこと。
離れて暮らす息子さんに迷惑をかけたくないと思うので、電話で亡くなった後の話をすると息子さんが「縁起でもない」と聞く耳を持たないので、いろいろと書き残しておきたいと思うようになって、エンディングノートをお買い求めになったということでした。でも筆がすすまないと、お悩みなのでした。

「こどもに迷惑をかけたくないから」

本当によく聞くフレーズでした。何かお手伝いをしたいと思い、手軽で簡単で確実に息子さんにお客様の思いが伝わる方法はないか、と考えて一つの提案をさせてもらいました。

奥様のがんの治療で生命保険の入院給付金の請求手続きをするのは、奥様かご主人です。ここに指定代理人請求特約を付けて、息子さんを指定しましょう。（指定代理人請求特約とは、保険金請求の際に指定された代理人が手続きを行うことができる特約のことです）
そして、その時に「これからの治療方針や手続きの方法は保険証券と一緒に〇〇の引き出しにファイルに入れて保管してあるからね」とお伝えしましょう。

奥様に何かあった時、きっと一度は息子さんは実家に帰ってくることでしょうから、その時にこの保険証券を見るようにしておいたら、ここにお手紙で奥様の思いを残しておいたら良いのではありませんか。
お手紙ですから、奥様の言葉で伝えたいことを思う存分書けますよ。

そうお伝えすると、奥様はにっこりして「それならできるわ。息子にも抵抗なく受け入れてもらえそう。」とおっしゃり、指定代理人請求特約の書類をご用意することになりました。
お孫さんが生まれたので、お正月に帰省するときにお話しされるということで、年明けに書類を受け取りに伺いました。

可愛いお孫さんと一緒に写った写真を大きく引き伸ばして目を細めて嬉しそうにお話しされる奥様。
薬を変えたら治療の効果が出てきて、少し元気になられた姿を見て私もとても嬉しかったのを覚えています。

その後、奥様はお元気になられて投薬治療を続けていらっしゃいましたが、夫の転勤で急に会社を辞めることになって引っ越してしまったので、その後のことはわかりません。

長い思い出話になってしまいました。
私は、あの時、奥様にご提案したことに近いことを自分でもやってみようと考えています。

私に何かが起きたとき、私の思いや必要な情報は「生命保険証券」と一緒に保管しておこう。
息子に伝えたいけど、きっと今は聞く耳を持ってもらえないだろうなと思うことを綴っておこう。私の精神衛生上もよい効果があるだろうし、もしもこれを伝えられずに死ぬとしたら、私は化けてでそうで自分が怖い。

※個人が特定できないよう、配慮をしてエピソードを記載しています。
※指定代人請求についてなど、保険に関する手続きの詳細はご自身の保険会社にお問い合わせください。
※一般的に上記のような保全手続き（住所変更や給付金請求、口座変更や指定代理人請求手続き）については訪問で対応してくれるところは少ないと思いますので念のため申し添えておきます。歴史があってしかも理解のある代理店で固定給で仕事をしていたからこそ出来たことだと思います。たくさんの経験をさせていただいたこと、感謝しています。

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Day_01★はじめましてメガネのMOCOです。ライラン、初参加です。
Day_02★浪費家の私と「節約」の意外な関係
Day_03★終活にはやっぱりエンディングノートが必須ですか？

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