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ミュージアム探訪2021年2月 ピカソの陶器との再会と、古い日記と

昨年10月、ピカソの誕生日に南青山の住宅街にオープンした、ヨックモックミュージアムへ。
洋菓子メーカーが30年以上かけてコレクションした、ピカソのセラミック作品500点以上を収蔵する美術館です。
女性の頭部をモチーフにした水差しや、子どものようにおおらかな絵柄のプレートなどが、ゆったりと展示されています。

撮影OKのコーナーは、ピカソの愛用したロッキングチェアと同じもの。

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私がピカソの陶芸作品を観たのは、南仏アンティーブのピカソ美術館。憧れの南仏で、20歳を迎える前の数日前を過ごしたときの旅日記が、発掘されました。

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そうそう、休館日にニースから訪問してしまい、ショックを受けましたが、その日に食べたニース風サラダがとびきり美味しく、ドラマチックな場面にも遭遇し、忘れられない1日となったのです。

数日後、確かに再訪しましたが、記録は見つかりません。南仏の陽光の下、ユーモラスな絵柄の陶芸や素描を前に、パリのルーブルやオルセーでお勉強モードになっていた自分が、解放されたことを覚えています。

ヨックモックミュージアム2階の常設スペースで、天窓から差し込む光に輝く54枚のプレートを眺めていると、あの時の続きみたい。大人になってから出会った、アートを愛する友人と肩を並べて。

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思わずお茶をしたくなるようなカフェスペースに、併設されるライブラリーコーナーも素敵。
ここだけ訪れて、アートブックを手に取って寛げるのも嬉しく、開かれていて、気負わずアートに触れられる、理想的な場所。イベントやレクチャーもこれから実現すると良いです。

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ピカソは1946年に南仏で陶芸に出会い、戦後の少しずつ明るい気持ちを取り戻す気運とマッチして、制作を楽しんだことを今回知りました。
ピカソの陶芸から私が受けてきた「なんだか楽しい気持ち」と自然にリンクしていたようです。
「ピカソ コート・ダジュールの生活」展。9月26日まで。

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