『最速で10倍の結果を出す他力思考』を読んでみた

最小の努力で、最速かつ圧倒的な結果を出す驚異のノウハウが本書にまとめられています。

1日24時間、1年365日は誰がどうやっても増やせません。自分の頭で考えるということは、「過去の延長線上」で答えを出そうとしていることであり、過去の経験からは、現状を打破するようなビッグアイデアは生まれないのです。

本書では、すでに結果を出している人の「頭を使い(知恵や経験をお借りし)」、自分以外の人の「時間を使う(協力していただけるようにする)」“他力思考”について紹介していきます。

■本書の紹介
最速で10倍の結果を出す他力思考
小林正弥 著

自力思考と他力思考の違い

■自力思考7つの特徴
①自分の頭を使う:
アイデアを自分だけで考え、行き詰まる
②自分の時間を使う:
自分の力だけを使って、休みが1日もなくなる
③自分のお金を使う:
自分の予算内で小さなことをやる
④自分の手足を使う:
誰かの代行業務で忙殺される
⑤自分のエネルギーを使う:
自力でなんとかあ頑張り、疲れ果てる
⑥自分の人脈を使う:
いつも同じ人たちと付き合い、新しい出会いやチャンスがない
⑦自分のモノを使う:
仕事のツールは自分で購入。古くなったら買い替える

■他力思考7つのポイント
①人の頭を使う:
自分の頭だけでなく、成功した人に知恵を借りる
②人の時間を使う:
ブログやYouTubeで発信し、相手の時間を使って、価値提供をする
③人のお金を使う:
採用・教育にお金を使わず、コミュニティメンバーから受講料を取り、自立型組織をつくる
④人の手足を使う:
代行型から教育型に切り替え、自分の手足は動かさない
⑤人のエネルギーを使う:
成功者の自信を借りて、新しいことに挑戦する
⑥人の人脈を使う:
影響力のある人からキーマンを紹介してもらう
⑦人のモノを使う:
書籍はデキる先輩からあえて借りる。虹ネスは基本的にGoogleの無料ツールを使う

自力思考の人は1馬力、他力思考の人は100馬力

ひとりで年間1億円を売り上げる社長より、年間5,000蔓延を売り上げる営業マンを5人育てている社長のほうが、たとえ自分が1円も売らなくても、年間2.5億円の経済価値を生みだすということになります。

実際に自分で営業活動をせずとも、リーダーとして自分の部下や後輩を指導し、目標売上に到達するのであれば、育成に注力したほうが効率性はグッと上がります。また、自力思考で頑張っていると、一人でモチベーション維持について考え、苦悩する日々も続くのです。

他力思考に切り替えることで、自分の想像内から脱出し、予想以上の結果がでることもあります。他者との意見のすり合わせ、ディスカッションを繰り返すことで、新しいアイデアや効果性、効率性の高い戦略を打ち立てることも可能となるのです。

早くいきたいならひとりで行け、遠くへ行きたいならみんなで行け

もし自分がすべてをひとりで完結したいなら、他力を使う必要はありません。しかし、自分の限界を超えた夢や目標を達成したいのであれば、他力思考を身につける必要があるということです。

他力思考は想いの連鎖であり、大切なことは自分ひとりで生きているわけではない、他力のおかげで生きている、という他者への感謝、尊敬の念が必要となります。

目指すべきは、自分ひとりで到達できるゴールなのか、それともチームや仲間と協力し合い、さらに高みを目指すのかで、リーダーかプレイヤーなのかの違いがはっきりでます。

「検索力」「質問力」を磨く

人間一人の脳は、成人で直径20センチくらいしかありません。自力思考に陥っている人は、この20センチの脳一つで市場と戦っていることとなります。しかし、他力思考で考えると、もちろん周囲の脳を無限に借りられることと同義ですから、データベースとして考えられるようになります。

そのを前提として上で、「相手の頭を使う」「相手の情報を整理する」ために検索力と質問力が必要となります。時として、時系列で相手の脳内を整理してこちらが必要とする情報を吸い上げたり、また、相手の答えた内容を深堀りすることで、さらに優先度が高い内容を得ることができます。

ライバルとは、敵視するのではなく仲良くなる

今の自分のライバルはどこかを考えた時、出世競争をしている同僚か、もしくは自分の上のポジションにいる上長か、というところでしょう。その際、ライバルと対立してしまうと、自分の成長の限界がきます。

例えば、同業他社をライバルと思って遠ざけるのか、一緒に市場に貢献するために切磋琢磨するのか、心の定め方、目線の高さで関わり方が全く変わってきます。つまり、ライバル心を持っていると、本来気づけるはずの相手の強み、自分が学ぶべきところに気づきづらくなってしまうのです。

結局のところ、自分よりも秀でた点があれば、教えを乞うことで自分の成長を早めることができますし、最終的にライバルの知識を得て自分が高いポジショニングを獲得することにもつながっていくのです。

どんなに頑張っても、1日24時間のままでは大きな成果は得られない

誰にとっても1日は24時間です。時間には限りがあり、有限である以上、あなたがどんなに頑張っても時間が増えることはありません。ここでも大事なのは上記に記した、「自分の脳と周囲の脳」と同じことです。

自分の1日の時間をいくら多く使ったとしても限界がある。だからこそ、周囲の時間を使って、さらに多くの力を動かせば、もっと大きな結果に繋がるということです。

苦手はことはやる必要があるのか、否か

日本の教育の仕組み上、長所を伸ばすよりも短所を克服することに主眼があると感じている人も多いはずです。本書で語られているのは、苦手なことをやるだけで、時間、エネルギー、いろいろなコストが増大し、得意だったおものまで弱ってしまうという指摘でした。

マルチプレイヤーを目指すのであれば、すべての知識や経験値を網羅的に学ぶ必要もありますが、しかし最終的に差ををつけるとすれば得意な点に集約されることもあります。苦手なことは全くやらなくても言い訳ではありませんが、時間がかかるようであれば、適宜周囲の得意な人に頼るべきだと考えられるでしょう。

目標達成率は、エネルギーの総量に比例する

自分の目標達成率は、「達成を信じる人の数」と「想いの強さ」の掛け算によって生み出されるエネルギーの総量に比例します。本書ではアポロ計画を成功させたアメリカの大統領ジョン・F・ケネディは、人類を月に送る、という前人未到の目標を成し遂げたことを例に挙げています。

ケネディ大統領はまず、大きなビジョンを掲げました。そしてそのビジョンを信じる人を集め、信じ続けてもらったからこそ、アポロ計画を成功させることできたと語っています。

「コミットメント」して、やらざる負えない環境に身を置く

人のエネルギーを使う一番の方法は、「約束すること」です。しいて言えば「コミットメント」となります。人は、自分のためだけにそれほど頑張ることはできません。しかし誰かのためということであれば、自分を超えたエネルギーが湧いてきます。

そのエネルギーは自分自身で作り出しているものではなく、自分が思い浮かべた「誰か」からもらっていると考えると、力を発揮できると本書では語られています。

実際、コミットメントは相手への信頼度によっても力の大きさが異なるため、心理的安全性や、チームや仲間との信頼度を強固にすればするほど、誰かのために頑張る、そういった思考に繋がっていきます。

「もらうのではなく、借りている」ということが本質

他力思考の本質は、一方的にもらうものではなく、借りているという感覚です。借りたものを変えそう、と意識して実践していくうちに他力思考の循環がうまく進むようになります。

原動力は「恩返し」と考えるべきであり、それは上層部、同僚、部下、クライアント含め、すべて関係性において、一方的にもらうことではないと本書では語られています。

他力思考は、いかに相手を自分通りに操るか?効率よく使うのか?ではないのです。

他力思考を支えているのは自力思考

たくさんの他力を使うためには、それ以上のものを与える必要があります。他力思考と自力思考は融合しており、もし「苦手なこと、やりたくないこと」を他の人にやってもらうのであれば、その分だけ自分は「得意なこと、やりたいこと」に全力を尽くさなければなりません。

自己理解と他者理解の上に成り立つ考え方が、他力思考ということです。自分の価値を磨き、ないものは借りることで相乗効果を発揮することができます。

他力思考に到達するための5つのステップ

他力思考に到達するためには以下の5つのステップが必要となります。

ステップ①:自分だけでは到底達成できない夢を描く
ステップ②:自分の不得意に降参する
ステップ③:人がマネできない得意に磨きをかける
ステップ④:好きな人とだけ付き合う
ステップ⑤:自分の持っていない強みを持つ人と組む

まとめ

今回本書を手に取ったのは、結局のところ私は自分で責任が取れる範囲でしか、周りに頼れない。最終的にメンバーが責任を取るフェーズで自分が手を出してしまうケースが多いと、直近感じることが多かったためです。

実際、御社Webのチームの加速力は、最初に比べれば落ちていると感じています。リソース不足、案件の肥大化、全体でのカバーの欠如、人によっての工数差があるなど、色々と要因は考えられます。

しかし、結局のところ、自分がリーダーとして迷い、判断が遅れ、メンバーに100%頼れない状況もあるのではないか、ということを考えています。さらに、どこまでメンバーに任せることが正なのか、任せきりにした場合、リーダーとしてのアイデンティティはどこになるのか、という点も色々と悩む面が多くあります。

今回本書で学んだことは、やはり自力思考では限界があり、どれだけチームで思考、時間を使うで、出す結果が変わるということです。リーダーとしてのアイデンティティが決断と実行力にあるとすれば、あとは「結果がすべて」。

チームに与えられた使命を全うするために、頼るところは頼り、とにかく結果を追求する、シンプルにそれだけを考えて、チームを率いるべきだと感じました。

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