その仕事、全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」を読んでみた

「プログラマー×ITベンチャー社長×大企業CTO」が語る「超」効率的な仕事の進め方・考え方とは? 入山章栄(早稲田大学ビジネススクール教授)、鈴木健(スマートニュース創業者・CEO)、推薦! 仕事の「無駄」を排除し、生産性を劇的にあげる方法・考え方を紹介!

今回は、本書の中から私が感じた重要な要素を抜粋して、紹介していきます。

■本書の紹介
その仕事、全部やめてみよう 1%の本質をつかむ「シンプルな考え方」
小野 和俊 著


ラストマン戦略で頭角をあらわせ

「ラストマン戦略」とは、グループ内で自分が一番になれそうな領域を決め、「あの人がわからないなら、誰に聞いても分からないよね」という、いわば最後の砦とも言うべきスペシャリストを目指す成長戦略です。

まずは小さいチーム内でラストマンになる、そして徐々に大きなチームでのラストマンを目指し、繰り返していくことが重要です。また、ある領域で一番になったら、次の領域を目指していきます。

■ラストマン戦略の進め方の例

チームで領域Aのラストマンを目指す

会社で領域Aのラストマンを目指す

業界で領域Aのラストマンを目指す

ラストマン戦略の4つのメリット

ラストマン戦略には次の4つのメリットがあります。

①最初の目標が低いので、実現できそうな期待が持てる
②低い目標でさえ実現できない場合は、早めに方針転換ができる
③目標が段階的にたかくなっていくため、自信をつけながらストレスが少ない形で成長していくことができる
④新人であっても周囲の人から頼られ、自らも「このテーマは自分がラストマンなのだ」と誇りをもって仕事に取り組むことができる

自分自身の成長戦略、あるいはチームメンバーの育成戦略に思い悩んでいる人がいたら、ラストマン戦略を活用できないか検討する必要があります。

「平凡」人間を生み出す2つの要素

日本の教育はやらなければならないことにフォーカスしています。しかし、ちょっとした遊び心や、やりたいことにフォーカスすることで、その人の成長は飛躍的に伸びる可能性があります。

平凡人間を生み出している2つの要素とは、「満点」「マニュアル」です。現実世界には「満点」などないが、学校で学んでいる領域で常に満点を目指すために「マニュアル」を読ませ、手順通りに学習を進めてきたのが、我々日本人です。

しかし、今の現在においては、突出した特性や技能を持つ人同士が互いに補い合いながら、強いチームを作っていく時代です。均質的な組織は相対的に弱体化してしまいます。

最強のワンオブゼムになるな

最強のワンオブゼムとは、すべてを均一的に、チャートで言えば満遍なく点数が取れる人物を指します。最強のワンオブゼムが身近にいることで頼もしく感じるシチュエーションもありますが、上記で記載した通り、今は突出した技能を持つ人間が重宝される時代です。最強のワンオブゼムにならないためには、以下の点に注意する必要があります。

①組織内で「満点」を目指すのをやめる
すべての要素について満点を目指すのをやめましょう。変わりに特定分野では満点のさらに上を目指していきます。つまり、自分ならではの能力のレーダーチャートを模索していきます。

②マニュアルにとらわれず、むしろマニュアルがないことこそ、取り組む
手順書や先輩の指導といった「マニュアル」がない分野は、まだ「満点」の概念が確立していません。だから何をやっても満点以上になります。誰よりも早く取り組んだ人が、後の第一人者になります。

エンジニア風林火山

本書はエンジニアを起点に解説が多くありますが、実際のチーム編成やそれぞれのスキルを取り入れる観点でも参考になる点が多くあります。エンジニア風林火山とは、人の特性によって以下のエンジニアに差別化できるという視点です。

■エンジニア風林火山
風のエンジニア
迅速な設計/実装によってチームを加速させる。風のエンジニアがいない開発チームでは、他に先駆けて新製品やサービスをリリースすることが困難になる。

林のエンジニア
突発的なトラブルが発生しても冷静に対処し、チームに「乱れぬペース」を提供する。林のエンジニアがいない開発チームでは、トラブル発生時に的確な判断が行えず、混乱に陥りやすい。

火のエンジニア
新しい技術/方法/ツール/の積極的な導入によって、チームやその成果物の競争力を高める。火のエンジニアがいない開発チームでは、イノベーションが起こりにくい。

山のエンジニア
厳密なエラーチェックと堅牢なプログラミングによって、成果物の安定性を高める。山のエンジニアがいない開発チームでは、常に品質の低さに起因する不安にさいなまれる。

他人の優れた能力に目を向ける

エンジニアという仕事一つ一つとっても、能力や優秀さは単一軸で表現できるものではなく、さまざまな種類のものがあります。それらすべてについて満点な人などまずいません。

スキル・能力の持ち方や磨き方には、ひとそれぞれ自分に合った形がありますが、自分の強みを客観視し、他人の優れた能力から取り入れるべきものは取り入れる。そして目指すべき成長の形を模索していくことが重要なのです。

戦略的に「見せ場」を作る

意図的にそして戦略的に仕事の中で「見せ場」を作ることは重要です。例えば、上司の指示で資料をまとめることになったとします。普通にやれば1か月くらいかかる資料を、ここぞとばかりに全力で集中して終わらせる。もし3日か4日で驚くようなクオリティで完成させることができたら、上司は驚き、あなたを見る目も変わるのです。

見せ場をつくるとは、言い換えれば、「普通ではない成果を出すこと」です。そうして見せ場をつくっていく習慣ができると、笹井なことでも一つ一つ丁寧に取り組むようになります。それがその人の信頼の積み上げや、弱点の克服につながっていくのです。

To Stopリストをつくる

日々の仕事や生活の中で「やること」を忘れないようにTo Doリストをつけている人は多くいるはずです。ですが、「やめること」はリスト化していないでしょう。

To Stopリストは「やるべきと思われているが、実は不要な仕事」が入ります。以下からTo Stopリストについて解説していきます。

To Stopリストを作る3つのタイミング

①何かを新しく始めるとき
何かを新しく始めれば、時間と労力が割かれます。何かをやめれば、必ず影響を受ける人が出てきます。「やめたらどんな影響があるか」を頭の中でシミュレーションした上で、思い切って関係者に聞いてみることが重要です。

②忙しすぎて業務が回らなくなっているとき
忙しすぎるときこそ、その原因となっている「日々の業務」の見直しをします。忙しい時は「そんな時間はない」というモードになりやすいが、そのまま放置すると、「ずっと忙しい」から抜け出せなくなります。

③非効率な仕事が増えているとき
もっと効率よくできそうなのに、ずっと見直せずにいる仕事、何年も前に確率された仕事がずっとそのまま続いている場合は、To Stopリストを作り、業務を整理するタイミングです。

To Stopリストに加える5つのこと

①定例会議
定例会議の必要性や頻度を見直しましょう。

②引き継がれた業務
引継ぎを受けた業務で、いままでのやり方をずっと踏襲していたものについては、見直しましょう。

③手作業のデータ集計・資料作成業務
日次・週次・月次でデータ集計して関係各所や上長に報告している内容の中に重要ではないものがないか見直しましょう。

④社内向けに提供しているシステムやサービスで利用者が少ないもの
使っている人が少ない場合は、時間とコストをかけて続けていくのかを検討すべきです。

⑤自己の再発防止を重ねた結果、慎重になりすぎている仕事
自己が何度か続くと、「原因究明のうえで再発防止策を講じるべき」となり、慎重に慎重を重ねて過剰なまでにチェックをおこなうルールになりがちです。ここを再検討しましょう。

まとめ

本書の選定した理由は、自分がやるべきことと、やらなくてもよいことの区別がまだ甘いと考え、さらにチームを加速していくためのエッセンスを蓄積させようと思ったからです。

本書を読んで、守る姿勢よりも攻めの姿勢について言及していることが多く、実際に自分の視点でみると、今は指摘をされないように、変な横やりを入れられないように、という目的で守りに入っているだけだと感じました。確かにマニュアル化やベース化は必要なんですが、このチーム規模の場合は、まず実践してそれを経験値としていくことのほうが重要です。

変に守りに入るから、攻め手をかき、余計に隙が生まれてしまう。攻め続けて、必要なリスクヘッジや漏れを防いでいく。この事をもっと意識して業務にあたります。もちろん、自分の仕事に抜けが多いのも事実なので、そういった部分は補完した上で、もっと攻めていきます。

直近、さまざまな視点で攻め手を欠いていることが実感として、自分の体調もそうですが、本当に必要な部分に自分のリソースが割けていないと感じます。実際、チームが拡大し従来のやり方では、チームが上手く回らないことを痛感しています。チームの中で優劣が生まれたとしても、できるだけ各人が違和感がないように調整を図っていましたが、今はもっと加速させるためにあえて優劣をつける重要性を考えています。

自分がいないとチームが回らない事は絶対なく、今回休みを頂いてもチームは機能できています。だからこそ、予算や仕組化含め、自分が割くべきリソースを適宜判断していきます。すべてを網羅するのではなく、必要な個所に自分のリソースが割けるようにもっと全集中していきます。

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