『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』を読んでみた


本書は、そんなビジネスパーソンに、「効率よく成果を出す方法」を紹介する1冊です。著者の越川氏は、IT企業、米マイクロソフトの執行役員などを経て、現在、働き方改革の支援をする会社の代表を務めています。

その仕事の中で、クライアントの困りごとである
・残業できない
・人を増やせない
・でも仕事量は変わらない
という3大課題を解決するために、確立したのが本書で紹介する「トップ5%社員の習慣」です。

トップ5%社員は、特別な能力や才能に長けているというよりは、「仕事が早く終わるツボ」を心得ている人です。そのため、本書で紹介する仕事術は、誰でもできるものとなっています。

・常に時間に追われているのに仕事が終わらず、努力だけでは限界を感じている人
・働き方改革やテレワーク導入を機に働き方を見直したいと思っている人
必読の1冊です。

■書籍の紹介
AI分析でわかった トップ5%社員の習慣
越川 慎司 著

AI分析で18,000人分析してわかった結果を出す人の5原則

本書の中の序章として、綴られているのが、AI分析で18,000人分析してわかった結果を出す人の5原則があります。それは以下の通りです。

「5%社員」の98%が「目的」のことだけを考える
「5%社員」の87%が「弱み」を見せる
「5%社員」の85%が「挑戦」を「実験」と捉える
「5%社員」の73%が「意識改革」はしない
「5%社員」の68%が常に「ギャップ」から考える

過程よりも結果を重視する点は、どの書籍にも記載があり、「弱み」や「挑戦」について好意的に記載している本もよくあります。

意識改革はしないという点も、意識の前に行動を起こすという点になるのため、やはり成果が出せる人材の共通項と言えます。また、ギャップという点については、最小労力で最大結果を出すという点に通じます。

どの書籍でも言われているからこそ、この5原則は大前提ということになるのです。

作業充実感に浸らないようにする

95%の一般社員は作業充実感に浸り、仕事へのフィードバックを必要としていない傾向にあります。それに対して、5%の社員は目標を足し遂げた達成感に満足し、仕事へのフィードバックを必要とすると本書で語られています。

事実、現在において、働き方改革などの制度により、大半が時間ではなく成果を評価する制度改革がおこなわれています。

58%:2年以内に成果を重視した人事評価制度に変更する計画がある
23%:成果を重視した人事評価制度に変更する計画があるが時期は未定
19%:人事評価制度を変更する予定はない
528社の人事責任者へのアンケート調査(2019年12月)

と本書でもアンケート調査が紹介されています。

フィードバックはプレゼントと同じ

「5%社員」は積極的に他社のフィードバックを得ているのに対して、作業充実感に浸る95%の一般社員は他者からの意見をもらうことの必要性をあまり感じていません。

プレゼンをした後の参加者や、会議の主催者、失注した後の顧客に足して、自ら感想と評価を聞きに行き、成功と失敗の原因を突き止めようとするのが、5%社員なのです。

5%社員の78%は他者からのフィードバックにポジティブな印象を持っており、アンケートの自由記入欄には、「フィードバックは成功の種」と答えたり、「フィードバックはプレゼントと同じ」と記載する人までいました。

「5%社員」の休み方

本書で紹介されていますが、「5%社員」が休日をどのように過ごしているかのアンケートが記載されています。5%社員の休日の特徴を以下に紹介していきます。

1.好きなことを自分で選んで自分でする
水泳、読書、買い物など、自分のテンションが上がるものを自分で選択して実践しています。

2.適度に有酸素運動をする
酸素を取り込み、汗をかくことでストレスを発散している人もいます。

3.読書
「5%社員」は48.2冊を年間で読んでいます。「読書の時間」がデジタルデトックス効果もあり、その間スマホに触らないなどをおこなって自立神経を整える効果もあるようです。

休日において、人は、自己選択権に幸福を感じるので、「指示されるものではなく、自分で選択していることが気分をアップさせる」と多くの方が答えていました。

作業効率が上がったことに満足する

95%の一般社員はどんどん仕事をこなしいていくことに充実感を得ますが、「5%社員」は重要な仕事に時間を割き、効率と効果を高めることに集中することに満足を得ています。

5%社員ははそもそも仕事を引き受ける上で、「そもそもこの仕事は必要か」を自問する行動をとっています。緊急度だけを基準に仕事に取り組むと「緊急度は低いけど、重要度が高い仕事」を放置することにもなります。

現在の無駄な時間を圧縮し、未来に必要になることに投資することが変化への対応力を高めます。

目的を常に意識し、正しい手段を選択して最小の時間を投じることが成果を出す近道となります。思い違いや自己満足をやめるために、目的と進捗を確認する時間をとることが大切です。「5%社員」は作業中、1時間に1回以上の休憩・進捗確認をしています。

レスポンスの速さでチームをスピードアップさせる

「5%社員」の特筆すべき点は、上司やチームメンバー、顧客への連絡の迅速さです。小さなことでもすぐに報告の連絡をして、自分の中で閉じることをしません。

報連相を怠ることがなく、相手が連絡した際にもレスポンスが早く返ってくるケースが多いのです。あの人は実は複数いるのではないかと噂されるほど、反応が早くマルチタスクでこなしていきます。

止まって考える時間を設けている

一般社員は日々の仕事に追われて振り返りの時間などを余裕がない状態が続きます。対して、「5%社員」は定期的に仕事を振り返り、改善点を見つけて出します。

社内のエースである彼らの元には多くの仕事や相談がやってきます。その多忙なスケジュールの中で、彼らは2週間に一度は止まって考える時間をとっていました。

5%社員はそうでない社員よりも、振り返りの時間を取る人が8倍もいるのです。なぜ忙しいのか、何かやめるべきことはないか、何にムダな時間を費やしてしまったのか、などの内なる反省を定期的におこない、その気づきや学びを次の行動に活かしているのです。

金曜の夕方や、水曜朝、通勤時間や出張の移動中に振り返っています。学びや反省をもとに、同じ間違いをしないように行動を変えていけば、おのずと成果が改善していき、自分のモチベーションも他者からの評価も高まるのです。

セルフPDCAを実践する

過ぎ去った時間を振り返れば、良かった点を評価し、そこからどんな結果が生まれてきたかを明らかにすることができます。また、同じ過ちを避けるために過去の事象から学びとることができます。

5%社員は自分の創意工夫によって目的を達成し、それが承認されています。そのため、自分の活動が達成されたのかどうかを確認するために内省の時間が必要不可欠となります。

他人からの承認ではなく、自分の価値観で自分を承認するのです。二度と同じ間違いをしないように振り返って反省し、次の行動に活かすことが重要となります。

会社からもしくは上司から指示されたのではなく、自身が成長するために必要だと感じ、率先してセルフPDCAを実践しているのが5%社員が常におこなっていくこととなります。

摩擦を避けたら成果は生まれない

チーム内で摩擦は必要だと本書では語られています。社内で評価を出すためにはYesマンのほうが良いこともありますが、ひとたび社外に出ればYesマンでは成果は出せないのです。

現在はYesマンが評価される慣習は、昔よりも少なくなりましたが、今でも大企業ではその習わしがある傾向があります。

大事な時に、あいつちょっと変わっているけど何かアイデアが出てきそうだから読んでみるか、ということを目指していく必要があるのです。そうして、成果を残す「5社員」にチャンスが巡ってきます。

発言回数は22%多く、発言時間は24%少ない

5%社員は一般社員に比べると、発言頻度が多い事が分かっています。イノベーションを起こすためには、どんどん気づいてどんどん情報として発信する能力が必要です。

5%社員は、だらだらと話したり、同じことを繰り返して言うようなことはありません。5%社員の発言内容を録音し、文字おこししたところ、発言の文字数は一般社員よりも275少なく、発言時間は24%少ないのです。

さらに、5%社員が他の一般社員と比べて特徴的だったのは、「●●しよう」「●●をやってみよう」といったレッツの言葉が多かったことです。会議は最後の5分でアクションを決めることが重要です。

「5%社員」はレッツという前向きな言動でアクションを決め、締めくくろうとすることの必要性を知っていると考えるべきでしょう。

5%社員になるために今すぐできること

・席にいない、動き回る
・メールの返信が15分以内
・まず単独行動する
・新たな経験を好む
・学びをすぐ実践する
・仕事の締め切りに遅れない
・すぐにメモを取る

まとめ

本書を選定した理由は、現状の自分の仕事スタイルについて、客観的に『結果を出す人』との違いを見て、悪しき習慣は改善したいと考えたからです。現状、必死に御社Webとクライアントの課題のために仕事と向き合っていますが、スピードで言うと以前よりも鈍化してきました。問題点は分かっているものの、なかなか改善しない。その現状を打破するために本書を選定しています。

事実、本書で「立ち止まって考える」「セルフPDCA」の時間が圧倒的に不足している点を痛感しました。1Q当初は自分の手がかかっている案件が複数あり、その中で3人のマネジメントを実施していました。

対し、今は新規案件が増え、そしてチームメンバーも増えている状況下にあります。その中での違いは「自分の領域内でしか仕事を回せていなかった」点にあります。

事実、新規案件が増えれば、自分はそこにアサインし、新しいメンバーが増えれば自分のリソースをそこに割く必要が出てきます。自分の見える範囲以上に案件とメンバーが広がってしまうと、どうしても優先度が不明確になり、本当に必要な個所に自分のリソースを割くことができないと痛感しています。

自分の間違いとして…

これまで、自分の保身のために『なんでも、いつでも相談できる相談役』のポジションを確立することで、メンバーからの信頼を集め、チームを回してきました。

また、メンバーが仲良く協力し合うことを重んじて、あえてリーダーというポジションを『全員』だと考えて、突き進んできました。

この2点がそもそも問題でした。この自分の優先度とリソースの割き方を改善するための本質は、以前社長からも言われていた通り、『自分と同じ領域ができるリーダーの育成』これに尽きます。

自分が全案件を把握、全メンバーの調整ができないのであれば、新しいリーダーを擁立して、そこを二分化させるしかありません。ここに気づきを与えて頂いていたのに実践できなかったことが御社Webの成長を鈍化させていた『原因』です。

今週、リーダーをあえて選択するという指示を出しました。もちろん、このアクションをとることで出る問題もあると思いますが、それは起こってから解決策を考えれば良いことです。案件で生じる問題、メンバーのマネジメントの問題を分散させ、松本の全体視野をやるべき点に割く。ここを徹底して残りの1か月もっとスピードをあげて走り切ります。

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