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年金保険料って、なんで納めないといけないの?

こんにちは。
メタップスでre:shineと人事労務を担当しているイケダ(@m_ike)です。

今回は、私が人事労務として社員によく質問される質問に、どんな風にお答えしているかをご紹介します。

Q. なぜ年金保険って払わないとならないんですか?

この質問は、新入社員や若手社員によくされる質問で、転職先が決まっていないまま退職される方にも聞かれます。これには「将来、年金が受け取れるかわからないのに、なぜ払わなければならないんだ?」という言葉が透けていますね。

優等生的な回答であれば「日本の年金制度は世代間の支え合いだから、自分のためというより、あなたの両親や祖父母のために……。」と答えるのでしょうが、答えられた方からすると「そんなことはわかっている!」という気分になることは間違いありません。

私だって、自分でもらえるかどうかも分からないものに大金は払いたくないです。

A. 年金を払うのは遠い未来のためではない

私は「年金を払うのは遠い未来のためではない」と答えることにしています。

もし、あなたが病気や怪我で働けなくなった場合、障害年金がもらえます。もし、あなたが亡くなった場合、家族は遺族年金がもらえます。

公的年金に加入している意味がちょっと見えてきたのではないでしょうか?



重要な受給要件

障害年金も遺族年金も、受給の為には様々な要件がありますが、私が特に重要だと感じるのは、保険料納付済み期間や一定期間内に未納期間がないことが要件になっている点です。

障害年金の受給要件
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

障害年金 (受給要件)日本年金機構

遺族年金の受給要件
死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です。ただし、死亡日が令和8年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。

遺族厚生年金(受給要件)日本年金機構


年金保険料が払えない時は

会社に勤務している間は厚生年金に加入しているので、特段気にすることはないかもしれませんが、下記のような場合は年金保険料を払うのが難しいタイミングがあるかもしれません。

①失業してしまったから払えない
②フリーランスになって収入が安定しないし、しばらく払えない
③転職まで期間が少しある

①②であれば【免除制度・納付猶予制度】の手続きをすることで、加入期間としてカウントされ、未納ではなく免除・猶予期間となります。この期間は10年間追納をすることも出来ます。

③は、その間も納めて欲しいところですが、もしそのタイミングで納められなかった場合、納付期限から2年以内であれば納める事が可能です。

追納しても受給できない?

①②③ともに納めてないのは変わらないのに、遺族年金・障害年金をもらうような事態が発生した時に何が違うのか?

①②は免除・納付猶予の手続きをしていますので、未納とはならず、先にあげた受給要件に引っ掛かることはありません。

③は遺族年金・障害年金をもらうような事態が発生してから、遡って納めても未納という事実は消えませんので受給できません。

要件に【初診日の前々月】【死亡日の前日】とあるのは「"今、納めれば貰えそうだぞ!"となってから納めても納付要件はクリアしません」ということなのです。



独立する前、会社に勤務している間に病院に行っておこう

厚生年金保険に加入している間に初診日が確定していれば、もし障害年金を受け取るような場合でも、受給要件に引っかかることを避けられます。

このあたりは以前のnoteをご覧ください。


公的年金は手厚い

民間の保険と比較しても、保険料納付時の所得税控除、年金受給時の非課税の扱いなどは、やはり公的年金は手厚いです。

公的年金保険が、遠い将来にもらう為の保険だけではなく「身近に起こりうることに対しての備え」と捉えると「自分の為に払う」という意義が見出せます。

また、障害年金の受給をすると、その後の 国民年金保険料の免除 を受けられる場合があります。ただし老齢基礎年金を受給する際の金額に影響がでますので、年金事務所に相談したり、しっかり確認したうえで手続きを行うことをお勧めします。


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