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「個人タクシー」に乗る時のメリット・デメリット

■はじめに

 こんにちは。花倉みだれです。
 就活的にも職歴にも汚点でしかなく、得るものが何もなかったと言ってもよく、できればトリミングする方向で詐称したくなる私の職務経歴にタクシードライバーというものがあります。
 コレを少しでも意味のあるものへと昇華したく、アウトプットできるものをしていこうというところです。
 今回は「個人タクシー」についてです。

■結論

 法人タクシーと比較した強みが全くないというわけではないので、よくよくご自身のパーソナリティと用途を考慮してお選びいただければと思います。

●メリット
・長距離客なら、過剰なサービスを受けられる可能性がある
・警察回避力は高いと思われる
・車が比較的乗用車に近い性能であることが多い

●デメリット

・何かあったときにクレームを入れる対象が少ない
・通常のサービスを享受することを渋られる可能性がある
・短距離客に対しては冷たいことが多い
・クセが強いことが多い
・「本来NG」なサービスをしていることがある。
 ちなみに私は可能な限り避けています。

■個人タクシーになるには 

 そもそも普段乗る時個人タクシーとか法人タクシーとか意識していない方も多いかと思います。
 法人タクシーは「●●交通」とかそういう会社として運営しているタクシーのことです。個人タクシーは逆に、☓☓タクシーの☓☓に名前が入るような形で、個人事業としてやられているタクシーですね。

涸沢 - コピー

個人タクシーのイメージ

 今っぽく言うなら、タクシー業界のフリーランスです。
 IT業界等その他のフリーランスと異なるのは「実力があれば即やれるというわけではない」ということです。

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東京都個人タクシー共同組合HPより(https://www.toukokyo.or.jp/license.html)


 条件(http://www.kojin-taxi.or.jp/taxi/jigyohnushi.html)がたくさんあります。
 ざっくり言うと
・法人タクシーで勤続10年以上
・10年無事故無違反

 この2つがマストです。
 さらに、都内ほぼ全域で新規営業許可を受けることができない状況で、今新規に開業しようと思ったら引退しようとしている人を捕まえて営業権をもらわなければなりません。
 法人のタクシーでは走らせることができず倉庫で眠っている車も多い(だから求人は止まず誰でも入れる)のに、個タクの営業許可は新規に出せないというのも違和感があるのですが、そういうものなのだからそういうものなのです。

■個人タクシーのメリット(ドライバー目線)

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 結構しんどい条件を突破してでもなるメリットが個人タクシーにあるのかと言えば、あると言えます。
 IT関係等その他のフリーランスと同じ理屈で、中抜きがなくなるので単純に同じ売上があがるなら儲かるはずです。
 法人タクシーだと売上に対して4割~6割を会社に上納する形(総売上によって比率が変わる)になるのですが、この差っ引かれる分以下で諸経費を自分で処理することができれば儲かるというわけです。
 ある程度車を好きにできたり、横のつながりも多少減らせたり、クレームを会社経由でもらうことがなくなるといったあたりもメリットとなりえるかと思います。

■個人タクシーについての所感

 ここまで一貫して、無事故無違反であることを「警察を回避する能力が高い」と表現しているのには意味があります。
 私の観測する範囲ですが、個人タクシーは決して安全運転第一な優良ドライバーというわけではありません。右左折時に歩行者横断帯を歩いている歩行者を煽る車の割合が、一般車が7割、法人タクシーが9割だとしたら、個人タクシーは10割突っ込んできます。一時停止何知るものぞ。
 一回一回の営業で信号を一度見逃した程度でロスする時間はたかが知れているわけで、安全運転でいけばよいのにと思うものですが、意外とこの「一回信号止まる」で下がる売上が顕著に存在するというのもまた事実です。
 お金を稼ぐことに対して意識は高いのですが、それが接客や運転にいい影響を与えているかというと疑問が残ります。
 乗車拒否などはタクシーセンターなどからも注意が激しいので恐らく意識するかと思いますが、それ以外のちょっとムカツクみたいな接客態度などは会社経由で怒られることがないため改善されることはないでしょう。

 また「過剰なサービス」とこれまで言及していたことの、具体的なものの一つは値引きです。
 これは実際、5千円を超えるような1営業に対して、個人タクシーの方が端数をまけてくれるような形で提案してくれたことが複数回あります。
 ユーザーとしてはありがたい提案! またこの人の車に乗りたい! と思うところではあるのですが、実はこれやってはいけないことなんですね。

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https://www.mlit.go.jp/common/000037426.pdf
料金が変わる度にニュースになるくらいですし、結構しっかりと認可を受けています。勝手に変えたら不正競争だと言われかねません。

 バスなどは更に顕著ですが、そもそも旅客を乗せるドライバーはお客様と最低限のやりとり以外のやりとりをするのはよくないとされています。
 (余談ですが、その最低限のやりとりをしっかりと気持ち良いものにしようとしている会社がいい会社、いいドライバーだと考えられます)
 時々SNSでバズったりする、古き良き面白サービスタクシードライバーみたいなのはよく見ると個タクだったり、何かしらガイドラインや法律やらにひっかかっていたりするものも多いです。
 
 こうしたところから、個人的には臨機応変に色々やる社会人的能力は高いかもしれないが、遵法意識が低い人というイメージが強いです。
 遵法意識のエピソードとしては、回送表示で人を乗せて移動しているのを見たことがあるのは個人タクシーだけです。回送表示で人を運んではいけないのです。おそらく身内だったりするのでしょうが、これは結構がっかりしました。
 逆に、こういう私的な利用も行う想定なのか、車のスペックが比較的高いことが多いです。逆説的に、法人タクシーのセダンのスペックが現在でも低いものが多いということなのですが……(小高い住宅街の一番上まで登るのに、私が乗っていたタクシーではアクセルをベタ踏みする必要がありました)
 道路交通という法律の共通認識があって初めて成り立つであろう分野で、遵法意識が低い人に命を預けたいか……。私はあまりそうは思いません。
 

■ユーザーから見たメリット・デメリット

 個人タクシーを開業する条件、ドライバーから見たメリットをここまで提示しましたが、これによりステレオタイプな個人タクシー像と、ユーザーから見てどういうことになるのかが見えてきます。

●個人タクシーのパーソナリティ
・お金を稼ぐ意識が高い(面倒な手続きを踏んでまで独立している)
・少なくとも警察を回避できる能力は高い(短くとも勤続10年、無事故無違反10年)
・経費に対してネガティブ(単純に売上減になるため)
・車のスペックが高い(古い車に乗せられることがないため)
・独自サービスをやりやすい

●ユーザーから見るとどうなるか
・長距離営業の時の神客扱いが法人タクシー以上になる
・短距離営業の時のクソ客扱いが法人タクシー以上になる
・手数料が必要な決済(クレカ等々)を短距離で使うと嫌がられる(手数料負担が会社持ちではないため)
・運転はやや雑な可能性が高い
・クレームの入れどころがあまりない。報われない。何かあった時に面倒。

■個人タクシーに乗るのに向いている人・向いていない人

●向いている人
・長距離
・警察には捕まりたくない
・現金で支払う予定がある
・どんなに不快になってもクレームは絶対に入れない。
・いい車に乗りたい
・雑談とかしたり仲良くなったりしたい
・ワンチャンいい感じに割引したりもしてほしい

●向いていない人
・短距離
・大事故に会う可能性を少しでも避けたい
・クレカやSuica等現金以外で支払う予定
・何かあったらしっかりとクレームを入れたい
・コミュニケーションは最低限でいい
・いかなる不正にも関わりたくない

 もし目の前に法人のタクシーと個人タクシーがあった際は、少しだけ意識するとミスマッチを減らせるかなと考えます。
 
 安くあがる、ないしクオリティが高いかもしれないが、何かあった時に会社にクレームを入れられない、安定感にムラがあるかもしれない、何かしら爆弾を抱えているかもしれない……といったところは、発注側から見たフリーランスとそれ以外の差として他業界でも共通する部分もあるかもしれませんね。

お気持ちを形にして頂けることは大変光栄で、勿体ないながら大いに感謝いたします。いつもよりちょっとおいしい飲み物や食べ物を頂きますね。