(1)続き:分散を計算するぞ

分散を電卓計算するぞ

①練習用データで平均を求める

次のデータ(n=5)を使いましょう。分散を計算するには、まず平均を求めないといけないので、やりましょう。合計してn(=5)で割ります。
練習用データ=$${ 1, 6, 7, 10, 14}$$
電卓のキーを示すとこんな感じ。途中、「=」を押した時に、合計「38」が表示されます。

  • 実際の操作は、電卓によって、ひょっとしたら違いがあるかもしれないので、自分が使っている電卓の説明書を確認しよう。

  • 電卓アプリはカッコとか使えて、一見便利なんだけど、私は好きじゃないので、いわゆる「電卓」で説明するからね。

  • 計算の最初に「AC」(CAと書いてある機種があるかも)を押すのは地味に大事。「願いましては、」と言いながら押しましょう(通じないだろうなあ…)。

平均が「7.6」と分かったので、先に進みましょう。

②2乗平均を求める

分散の計算は、定義式だと、
$${(1-7.6)^2+(6-7.6)^2+\cdots }$$
とやって、その答えを5で割ります。これ、電卓でやってもいいんですが、「引き算の答えを二乗して足し合わせる」というのがやや面倒、というか、キー操作に慣れないと間違える可能性大。そこで、分散の公式を使います。分散の公式とは、
{ データの2乗の平均 - データの平均の2乗 }
という式です。電卓でやるならこっちのほうがキー操作が楽。
というわけで、データの2乗平均を計算しますよ。電卓操作はこんな感じ。

少し長いですが、やっていることは単純です。

  • 「AC」「MC」▶「MC」を押すと、電卓内のメモリ(計算結果を記憶しておく場所)が「0」になります。

  • 「1×=」▶「1の2乗」を計算します。うまくいかないときは、「1×1=」と打ちましょう。

  • 「M+」▶電卓のメモリに、さっきの計算の答えを足してます。$${0+1=1}$$で、メモリには「1」が記憶されます。

  • 「6×=」▶「6の2乗」を計算します。うまくいかないときは、「6×6=」と打ちましょう。

  • 「M+」▶電卓のメモリに、さっきの計算の答えを足してます。さっきまで「1」だったので、$${1+36=37}$$で、「37」が記憶されます。

  • 2乗して「M+」という計算を繰り返していきます。途中で間違えたら、「AC」「MC」からやり直しですよ(泣)。

  • 「MR」▶その時点でメモリに記憶されていた数が液晶に表示されます。「382」が出てきたら成功! これが、「データの2乗」の合計です。

  • 「÷5」▶「データの2乗」の平均を求めるので、5で割って計算終了。

5で割って「データの2乗平均」が計算できたら、「MC」を押してメモリを「0」に戻しましょう。心配な人は、答えの「76.4」をノートにメモしよう。

③さっきの答えから、平均値の2乗を引く

「データの2乗」の平均が「76.4」と分かったので、これを使って計算の続きをします。データの平均値は「7.6」だったので、これも使います。

  • 「AC」「76.4」「M+」▶書いていませんが、最初に「MC」も押した方が確実かな。さっきの答えをメモリに記憶させます。今、メモリは「76.4」になってます。

  • 「7.6×=」▶最初に計算した平均値「7.6」を2乗します。2乗すると「57.76」になります。

  • 「M-」▶平均値の2乗を引くので、ここは「M-」の方を押します。メモリは、$${76.4-57.76=18.64}$$になっているはずです。

  • 「MR」▶引き算した結果「18.64」が出てきたら成功。

やってみればわかるでしょうが、上のキー操作で、データの2乗平均の計算から続けて計算すれば、最初の6個は省略可能です。(意味がわからないときはスルーしてね!)

こういう計算をしていました

いまやっていた計算は、式で書くとこうなります。

$$
\Big\{(1^2+6^2+7^2+10^2+14^2)\div5\Big\} - 7.6^2 = 76.4-57.76=18.64
$$

電卓で計算するときには、分散の定義式をそのまま使うよりも、この公式を使う方が簡単だと言われています。
どうしてこの式で分散が計算できるのだ?! という疑問をお持ちの方は、こちらの記事をどうぞ。分散の定義式から分散公式への変形は、統計検定などを受験するならば必ず通るべき道だと思います。