見出し画像

法学編入試験対策 主張反論形式のポイント


1.はじめに

 法学編入試験では、「反論を想定しながら、あなたの見解を述べなさい」という主張反論形式の問題が出題されることがあります。
 そこで、本日は、主張反論形式の問題の解法について解説します。

2.主張・反論形式の狙い

 主張反論形式の狙いは、対立構造を論述させることにより
 ① 判例の基礎的理解
 ② 学説の基礎的理解
の両方を採点する点にあります。
 主張反論形式は、異なる角度から見なくてはならないので、判例も学説も登場することになります。

 司法試験の世界でも主張反論形式の問題は出題されますが、司法試験が判例の射程範囲を検討させる内容であるのに対し、法学編入試験では判例をほぼそのままで出題されることが多いです。

3.試験対策

 ⑴ 判例について基礎的な理解をすること(必須)
   そもそも判例があることに気づかなければ、独自の見解を主張するこ
  とになってしまいます。どんなに素晴らしい内容であっても、判例を踏
  まえた論述でなければ、評価としては相対的に低くなってしまいますの
  で、著名な判例について理解をしておくようにしましょう。
  ※ 私のクラスでは基礎的な判例をまとめた判例集を配布します。

 ⑵ 学説の理解(加点事由)
   学説を知らなくても私見を論述すればある程度加点を狙うことができ
  ますが、論点・判例の中には、学説上の対立が激しいものがあります。
   例えば、三菱樹脂事件における私人間効力に関する学説、全農林警職
  法事件における公務員の人権に関する学説など、学説上の争いがある箇
  所は学説まで理解するようにしましょう。
  ※ どの論点が学説上対立が激しいかは講義中にお伝えします。

4.気を付けるべきポイント

 主張反論形式の答案で時折見受けられるものとして「議論がかみ合わない」問題があります。
 対立点を明示にし、単に主張と反論のみせかけの演出だけにならないように気を付けましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?