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マンダロリアンを見てくれ

 ディズニーの公式動画配信サービス「Disney+」にて、現在シーズン2までが配信中のドラマシリーズ「マンダロリアン」。

 何それ?と思う人も多いだろうが、スターウォーズシリーズ初の実写ドラマということで、一部で話題になっている。ただし、話題の海外ドラマが山ほど存在する現在、しかも見る人を選ぶスターウォーズ(※個人の印象です、だってスターウォーズ全部見たことある?って聞いたらほとんどの人が「見たけど覚えてない」「途中で寝た」って言うんだもんな)のドラマなんだから、一般の人の興味は惹きにくいかもしれない…。

 それでも見てくれ、なんならスターウォーズ映画版全作見てからマンダロリアン見ておくんなはれ、という気持ちを込めて、今からつらつらとその魅力を綴りたいと思う。とは言えまだまだニワカなのでもし間違ったこと書いてたらツッコミ入れて下さいね。

オタクを熱中させる広大な世界観を継承

 スターウォーズシリーズは個人的には正直「オタク向き」だと思っている。それも、設定やら製作の裏側やらにまで興味を持ち、作中に出てくる知らない単語をすぐググるタイプのオタク。映画9作の中でも「あっ、この星はあの戦いがあった場所!」とか「この人あの時も出てきた!」とか、様々な繋がりがある。それに気づいて喜べるオタク気質の人にはスターウォーズはたまらない作品ではないだろうか。

 マンダロリアンももちろんその広大な世界観・膨大な設定を引き継いでいる。様々な人種(人間型だけど昆虫っぽいとか、単眼とか頭から触手生えてるとか、とてつもないバリエーションがある)が存在し、その一つ一つに設定がある。更に兵器や宇宙船、ドロイド(*1)に銀河中の星々…と、長年に渡りこれでもかと詰め込まれた設定の数々にオタクなら鼻息が荒くなることだろう。

 そんなスターウォーズ界において、自他ともに認めるスターウォーズオタクの精鋭が集まってマンダロリアンを作っているということが、配信中の「ディズニー・ギャラリー スターウォーズ:マンダロリアン」で余すところなく公開されているのがまたたまらない。濃ゆい

とはいえ、前知識なしでも特に問題なく見られる

 シーズン1の記念すべき第1話。酒場での喧嘩、そこにギラギラしたヘルメットを被った男が現れる。劣勢の魚人を助けたように見えたが実はヘルメット男は魚人を捕らえに来たのだった…みたいなスタートである。スターウォーズに多少詳しい人ならば、喧嘩の相手の一人がハッティーズ語(*2)を喋ってるとかそんなことでも本家スターウォーズ9部作との繋がりを感じてニヤニヤしてしまうはずだ。
 だが、そんなことを知らなくてもストーリーはシンプルでわかりやすく、「歴戦の賞金稼ぎが主人公の西部劇、ただし舞台が宇宙」というありがちな説明で充分雰囲気が伝わるだろう。

・・・いやーでもな、やっぱりスターウォーズを知っていた方が、魚人が鯛焼きみたいになった時「カーボン冷凍だ!」(*3)って興奮できるからいいよね。

 ひとつだけ前知識として持っておいた方がいいのは「ボバ・フェット」という過去作で登場した賞金稼ぎ。別にキャラの背景とかは追い追いでいいので、こういうそっくりな見た目の賞金稼ぎキャラクターが過去のシリーズ内で大人気だったということを知っておいてほしい。ユニクロのコラボTでもババーンと単独プリントされていたぐらい人気。ボバだけじゃなくてジャンゴもって??長くなるからやめとこうな(*4)。

https://starwars.disney.co.jp/character/boba-fett.html

宇宙版子連れ狼、ただし子供めっちゃかわいい

 マンダロリアンの前情報として話題になったのが「ベビー・ヨーダ」と巷で呼ばれた幼児のキャラクターのビジュアルだった。ヨーダぐらいはスターウォーズ知らない人でもわかるかな…なんか緑色の、ほら…シワシワで…ジェダイの偉い人…
あのヨーダさんとは別個体なのだが、同じ種族と思しき赤ちゃんが登場するのである(以降ベビーちゃんと呼ぶ)。シワシワなんだが大きいおめめがなんとも愛くるしく、まだ赤ちゃんなのに50才というギャップがあり、無力な生き物と見せかけて秘めたるパワーがあったり食欲旺盛だったりと、単なるシワシワの赤ちゃんではないところがグッとくる。シワシワなのによちよち歩きにキュンとすること請け合いである(何回シワシワ言うねん)。
なんならベビーちゃんの行く末を見守るためだけにマンダロリアン見たっていい。コストコでフィギュアが売られるぐらいかわいいんだ…。
素顔を一切見せない硬派な主人公との関係性もよし。

キャラクターの魅力

 主人公のマンダロリアン、マンダロリアンというのは個人名じゃなくて種族の名前(種族というか、とある宗教っぽい教義に従って生きる人々、みたいなイメージ)なんだけども、冷酷で腕の立つ賞金稼ぎという感じが実にシブい。まず頭部全体をがっちり覆うヘルメットのせいで目すら見えないのがミステリアスでかっこいい。武器もむちゃくちゃいろいろあってかっこいい。そんなかっこよくて寡黙で合理的な賞金稼ぎが、単なる賞金首だったはずのベビーちゃんに愛着を持ってしまうというのがエモいんだなぁ。不器用なりに大事にしているのが伝わってきて更にエモみが爆上げである…きゃわわ…(語彙力がなくなってきた)
 マンダロリアン(通称マンドー)が時々見せる人間味みたいなものがまたたまらんのです。「そんな見た目で素直にありがとうって言っちゃう?!」みたいな。

 あとはアーマラーという、マンダロリアンの中の武器職人的な人。女性なのにやっぱりヘルメットで顔はわからず、戦闘民族なのでストームトルーパー(*5)に取り囲まれてもフルボッコにできる実力がある。かっこいいぜ姉貴ィ…
 人間型の豚みたいなおっちゃん、クイールもとてもいいキャラ。どんな作品でも長老的な人を導く力を持つ真っ当であたたかい人間がいると心の拠り所になるものだけど、クイールは更に手先も器用でグッとくる。クイールの直したドロイド・IG-11も多くは語れないが泣くほどかっこいい。動きもトリッキーでいいよなぁ…
 シーズン1中盤で関わるキャラ・デューンもかっこいい。がっちりした女性がでかいブラスター(銃)で撃ちまくる姿は本当に痺れる。
 マンダロリアンの女性キャラみんな好きになっちゃうな…整備士のおばちゃんとかカエル婦人もいいんだ。ただしシアン、お前だけはダメだ…

少年の頃のワクワク感を思い出させてくれる作品

 未知の技術のかっこよさ、宇宙への憧れ、バトルアクションの高揚感。そういう子供の頃に経験したワクワクできる要素がマンダロリアンには沢山詰まっている。もちろんヒューマンドラマ的な部分や裏の世界のあれやこれも面白いんだけど、「ワクワクする」というその一言に尽きる。
 シーズン1は8話まで、シーズン2もすでに配信開始されているが、見始めるなら今ぐらいがちょうどいいんじゃないだろうか。「配信サービスいろいろあるけど何見ていいかわからなくなってきた」と思っている人、「スターウォーズ気になってるけど敷居が高い」と思っている人、ぜひマンダロリアンを・・・そしてできればスターウォーズ映像作品全9作も合わせて・・・ご覧頂けたらと思う。よろしくおねがいします!

【注釈】
*1・・・ドロイド:スターウォーズ世界のロボットみたいな存在。シリーズ内では金ピカのやつと青っぽい丸い頭のやつが圧倒的に有名。
*2・・・ハッティーズ語:昔のスターウォーズに出てきたクソデカ太ナメクジ(https://starwars.disney.co.jp/character/jabba-the-hutt.html)みたいなやつが使っていた言語。
*3・・・カーボン冷凍:ハリソン・フォード演じるハン・ソロが前述のクソデカ太ナメクジにアルフォートみたいにされた技術。
*4・・・ボバ・フェットとジャンゴ・フェット:ボバ・フェットはジャンゴ・フェットのクローンだし色違いの似たようなアーマーを着ているのでどっちもマンダロリアンそっくりの外見。
*5・・・ストームトルーパー:スターウォーズのグッズなんかで一番見かける気がする、白いバケツ頭みたいな兵士キャラクター。

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