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「光る君へ」雑感〜31、32回

「源氏物語は卑猥な話なんだと思っていた」と母に言われて驚いた娘です、ごきげんよう。

母は、毎回しっかりではないけれど、たまに「光る君へ」を見てくれて感想を話してくれる。大変貴重な視聴仲間である。

職場ではいろんな人とこれまで何度も「⚪︎⚪︎見てます?」「すみません見てないです……」といったやりとりをしてきた。もちろん日頃世間で話題のドラマを見ていないのはわたしのほうです。

ついにわたしも「⚪︎⚪︎見てます?」側に立てたかと思いきや、今のところ今年のNHK大河ドラマを見ている人には出会えていない。正直最初から見てない人にこの時期に見てってもう言えないよね、大河ドラマ長すぎて。

いいんだ別に、仲間はネットにいっぱいいる。残念になど思っていない。いやちょっとだけ思ってる。

源氏物語爆誕の31回、32回放送をわたしよりはやく視聴していた母は、わたしへのネタバレを気にして具体的なことを言うのは控えている様子だったが、何やら楽しげだった。

源氏物語について興味を持ってくれたようで嬉しい。

冒頭の「卑猥な話」というのは、プレイボーイ光源氏の恋愛遍歴というイメージの強さから来ていたらしい。
わからなくはないけど、なんかおもろ。

さて、ドラマを見て特に感じたこと。思いつくままに書いたので読みづらいと思うすみません。


源氏物語も、それ以外の作品も、書き手と読み手の思いというのがそれぞれさまざまあって、だからこそおもしろいのだよなあ、としみじみ感じた。読書っておもしろいと感じる理由もここにあるよね。

少し前のやりとりで、回想でも出てきていた、ききょうちゃんとまひろちゃんが枕草子の話をしていたシーン。

まひろちゃんは、皇后さまの陰の部分も知りたいな、と思う。
ききょうちゃんは、皇后さまには陰などない、あったとしても書かない、と思っている。

内裏では枕草子によって、定子さまのきらきらした過去のエピソードが今話題になり評判になっている。
ききょうちゃんの思いがいい感じで伝わっているような気がする。

あかねちゃんにはあんまり刺さらない。気は利いてるけど人肌のぬくもりがない。書き手の思いが必ずしもすべての人に届くとは限らない。

まひろちゃんはどういう思いで書くんだろうな〜と、想像しながら見ていたら、これだ!というのが出てきた。

道長に話を聞いたあとの「人とはなんなのでございましょう」。

痺れた。これが源氏物語か〜〜〜!と思った。読んでもなおきっと出てくる言葉である。人って、なんなんだろうな……。

源氏物語はどんな話なのか、との問いには、人により様々な答えが返ってくるのではないかと思う。
こんな話でもあり、あんな話でもあり、こういう話でもある……みたいな。
卑猥な話というのもありかもしれない。直接的な描写はなくとも、読んだ人がそう思えば、そうなのかもしれない。

どの感想にも正解はないし、なんならすべてが正解、というのがとても面白いよね。
わたしも自分の感想は大事にしたいと改めて強く思った。

それにしても、まひろちゃん自身の経験、学識、周囲の人々から見聞きしてきた話、さらには道長から聞いた帝周辺や土御門の話、本当にいろんなものがまひろちゃんの頭の中に蓄積されて……これらから繊細に複雑に膨大に紡がれていく物語……う〜ん楽しみすぎる。源氏物語を読もう。

惟規ちゃんに自分について聞いてみたら「根暗で鬱陶しい」とか言われてたのうけた。癒し。
かつて宣孝殿が「自分の思う自分だけが自分ではない」と言っていたのを思い出した。

自分という人間がどんな人間か、その答えは己の中だけにあるのではないともうまひろちゃんはわかっていて、己の中にも問うけれども、他の人から見てどうなのかもしっかり考えているんだね。

まだコミュニケーションがいまいちうまくはいってないような気がするけど、かささぎが燃えてしまって以降、賢子ちゃんのことも、賢子ちゃんに母はどう見えるか、もちゃんと考えながら言動を選んでいる雰囲気もあると思った。
でもすごく難しくて大変そう……。

根暗なまひろちゃんは陰か陽かでいったらほぼほぼ陰属性なんだろうけど、晴明によってまひろちゃんが道長にとっての「光」という言われ方もしていて、なんだか光あっての陰、陰あっての光、みたいな話になってくるな。

光が強すぎると闇が濃くなるって話、道長の今後への一応のアドバイスみたいなものだと思うんだが、ききょうちゃんの書いた枕草子の定子さまを思い出してしまって切なくなった。
光しか描かぬということは、描かぬことで陰を際立たせてしまっている部分もあるってことよね。
強い光は陰を消すんじゃなくて、深く濃くする。う〜ん。
もちろん、ほんとにききょうちゃんにとって定子さまは光でしかないのかもしれないが。

物語が降ってくるまでの、何か考えてるな?ってまひろちゃんの無言の表情が非常によかった。
越前の良〜い紙をもらって、慈しむように紙を撫でるまひろちゃんの仕草と表情も非常によかった。

書いてるシーンがたくさんだったので、わたしも何か紙に書きたくて仕方がなくなっている。
うずうず!

ところで本屋さんで発見した、こちらの本を読み始めたよ。

わかりやすく源氏物語のおさらいができる〜。絵が素朴でかわいい!

「源氏物語読んでみたいと思ったけど、普段本なんか読まないし、すごく長いって言うし無理そう……」と言っていた母に、一度渡してみようと思う。
これも字は多いけど、ちょっとずつがんばれば読めるのでは……!

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