俳句|山岸由佳
氷上
氷上の晴れて人々しづかな息
金網に冬の音あり海のあり
ストーブや文字の輝き欅にも
雪止みし水面に映る赤ん坊
蜜柑置く小さな夜のはじまりに
荷を下ろす正午の鐘や春遠からじ
首ながき鳥の歩める春の霜
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