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同級生交歓 甲陽学院高等学校 昭和55年卒

人の一生を左右するのは校風か、学歴か、友人か。意外な組み合わせ、納得の顔ぶれが並ぶ“誌上同窓会”。「文藝春秋」の名物グラビア企画です。

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東京都千代田区 東京駅前にて(撮影・三宅史郎)

(右から)
大阪ガスセキュリティサービス監査役
鈴木宏育
ヒューリック代表取締役社長
前田隆也
東京医科歯科大学教授・日本顎変形症学会理事長
森山啓司
三井住友信託銀行顧問・東京大学特任教授
栗田卓也

甲陽学院は、白鹿グループが兵庫県西宮市に創設した男子校である。我々の入学時、高校校舎は甲子園球場のすぐ隣にあり、“掛布コール”も聞こえた。2年進級時、自然豊かな山の手に移転した。

森山はサッカー部に所属し、近畿大会出場を目ざし猛練習。勝ち進めば、修学旅行不参加かもと心配したとたん、杞憂に終わった。大学共通一次試験後に、急に進路変更し、東京医科歯科大を受験、現役合格。皆を驚かせたが、36歳の若さで教授に就任、今では矯正歯科の権威。人生はわからない。

前田はストイックに競技用自転車で一人黙々と夙川の強烈な坂を登っていた。就職時に、東大工学部の勉強と関係がないマスコミを目指したかと思えば、オーソドックスに大手ゼネコンの大成建設に就職、2007年転職。今では高収益企業の社長。彼の人生もわからない。

栗田はハンドボール部所属。文化祭ではバンドを組みリードギターを担当。ディープ・パープルを演奏した。運動万能で成績優秀、字も綺麗。中学で初めて会った時に、こんな万能な人がいるんだなぁと思ったのを覚えている。京大法学部卒業後建設省に入省、公務員は似合わないと言われていたが、2020年、国土交通事務次官に就任、2021年から現職。

鈴木もハンドボール部所属。同窓会学年幹事を務める。「鈴木は、我が学年のまとめ役の一人。学年の同窓活動は、鈴木のおかげ」と言ってくれる友人もいることが有難い。阪大工学部を卒業後、大阪ガスに入ったのはオーソドックスだったが、家庭用電気販売開始の指揮を執るなど想像もしなかった新規分野に従事。2021年より現職。

甲陽ではとっても個性的な教師陣に見守られ、学業、クラブ活動、趣味など豊かな時間を過ごすことができた。人生の基礎を築いてくれたと感謝している。(鈴木)


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