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武田徹の新書時評 中国の強さと危うさ

評論家・専修大学教授の武田徹さんが、オススメの新書3冊を紹介します。

中国の強さと危うさ

清末の変法自強運動を率いた歴史家・梁啓超は祖国に名前がないことを嘆いていたという。確かに「夏」「漢」「唐」などは王朝名だし、「震旦」「支那」は外国での通称だ。結局、梁は逡巡しつつも自らの論考を「中国史叙論」と名付けたし、彼の祖国はやがて中華民国、中華人民共和国と名乗ることになるが、「中華」「中国」が本来は国名ではなく、「世界の中心」を意味する言葉だったことに留意してみる必要もありそうだ。

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