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#小説家の小説
【小説】喫茶、憩い(11891字)
私は落ちぶれた小説家だ。
若い頃は、それなりに売れた。雑誌に連載を何本か持った事もあったし、一度だけ新聞に連載させてもらった事もある。
しかし、今の私には若い頃のバイタリティも無く、アイディアも無い。残った脳みそは搾りかす程度に思え、今の新進気鋭の若手が新作を刊行する度に怯えている。
先日、久しぶりに会った担当編集に、「先生もそろそろ新作を出されては?」と勧められた。その担当編集は若
私は落ちぶれた小説家だ。
若い頃は、それなりに売れた。雑誌に連載を何本か持った事もあったし、一度だけ新聞に連載させてもらった事もある。
しかし、今の私には若い頃のバイタリティも無く、アイディアも無い。残った脳みそは搾りかす程度に思え、今の新進気鋭の若手が新作を刊行する度に怯えている。
先日、久しぶりに会った担当編集に、「先生もそろそろ新作を出されては?」と勧められた。その担当編集は若