2023 3月に読んだ本など

ぼくはイエローで、ホワイトで、ちょっとブルー2

なんか最近本読んでないな、何か読まないとなと思って、前から気になってたので読んだはず。1ヶ月までの動機ってこんなにすぐ忘れちゃうんだ。
 ブレイディ・みかこさんの文章が自分にすごく合ってるのか、サクサク読めて楽しかった。英国の自分で調べて考えさせる授業がとても羨ましくて、日本は詰め込み式と言われているが、本当にこれで良いのかと大人になって改めて考えさせられてしまう。政治・経済、それらひっくるめて社会全体を見つめる機会が彼らには豊富に与えられているのだと思うととても羨ましい。大人であればそういった機会を自ら掴みに行けばいいという話になるが義務教育のうちはそうはいかないので。
 とはいえ、彼らが置かれている状況は日本よりもとてもシビアな所得格差が背景にあることも事実なわけで安易に羨ましい!と言うのも間違っているのだが…。
 息子さんも成長して、ご両親が知らない世界も増えることを感じさせるラストが心温まると共にじんわりと切なくて涙が浮かんでしまう。
 本を読むってやっぱ楽しいなと思い出させてくれるエッセーだった。

それでも女をやっていく

 大好きなラジオ番組「アフターシックスジャンクション」で紹介されていたので読んだ。著者のひらりささんのことはtwitterや「だから私はメイクする」を読んだりして名前は知っていたが、ラジオでの語りがなんともクレバーだし、ちょうど自分が「女性のキャリア」に向き合わなければいけないかも…と思いはじめたところだったので、番組内で触れていた「女性の生きづらさ」が気になり読んでみた。
 内容としてはひらりささんの半生が主で、自分が求めているものがあったかというとずれてはいたのだが、これはこれで自分が無意識に目を背けていたというか、諦めていた生きづらさに向き合っていて、ヒリヒリするものがあった。

一旦、退社。〜50歳からの独立日記

 働く女性のロールモデルが、たくさんいるはずなのだけれどどうにも実例がしっくりこず、もっとスーパーマンみたいな人じゃなく地に足ついた実録が欲しいと思っていたら、大好きなポッドキャスト「OVER THE SUN」のパーソナリティでフリーアナウンサーの堀井美香さんがエッセーを出されてい他ので読んだ。
 「地に足ついた」と言ったものの、TBSという大企業で、アナウンサーとして第一線で活躍し、会社員時代も朗読会を主催し、フリーになる際に逃げられないように朗読会の会場を押さえるとか、めちゃくちゃキャリアも行動力もある方なので、スーパーマンな気はするが…ポッドキャストを聞いているととても普通の一般人の感覚を持たれているし、イノベーションを起こしたい!とかいう大義名分よりも自分のやりたいことの延長に今のキャリアがあるといった感じで、真摯に「やると決めたこと」に向き合い続けている方で、それが何より大事なのだと感じる。
 さて、私は何をどうしたくて、何に悩んでいるのだろう…。なんだかわからなくなってきた。

世界と私のAtoZ

 読みたいと思った本はすぐに読んだ方がいい!と思ってポチってすぐ読んだ。15年くらい前は若い世代の関心が何かがわからなくなるなんて思いもしなかった。でも全然わからない。面白さの軸が更新されていない気がして今とても焦っている。と、共にアメリカのポップカルチャーと社会情勢の結びつきが深いことにも触れているので気になって読んだ。
 やっぱ私はポップカルチャーが好きで、関わり方はどうあれこれを仕事にしていきたいと思うので、ポップカルチャーが持つパワーには興味がある。高橋芳朗さんの「ディス・イズ・アメリカ『トランプ時代』のポップミュージック」もとても面白くて、アメリカは自分達で自由を勝ち取ってきた歴史からだと思うんだけど、社会変革を自分達で起こす気概があり、その行動の手段としてポップカルチャーがある。そういう視点でエンタメを見るのもとても面白いと思う。
 話がそれたけど「世界と私のAtoZ」でもっとも興味深いと感じるのは「買い物は投票」という表現だった。推しに課金することもその一種だと思うのだが、会社の思想に共感するからこの会社の製品を買う、という行動原理が確かになんとなくそうなんだと感じる部分はあったが、言語化されてスッキリした。情報に触れやすい現代は、プロダクトそのものだけでなく、作られる過程・思想も共に展開されるわけで、そのプロダクトを手に取ることは、その過程や思想に賛同するという意味も含まれてしまう。
 まぁここまで深く考えている方がどこまでいるかはわからないけど、でもプロダクトを送り出す側はそこまで考えて作る必要があるし、プロダクトを送り出す際はストーリーもまた重要なのだと改めて思った。「シン・エヴァンゲリオン」の制作の密着に庵野監督がなぜ同意したのかというと、裏側を隠す時代じゃなくなった、といったことを言われていた気がするのだが、おそらくそういうことなのだろう。

佐久間宣行のずるい仕事術

 これはもらったので読んだんだけど、思いのほか良い本で新卒や若手にぜひ勧めたいし、自分も(どうせまたすぐにそうなるのだが)道に迷ったらこの本に戻りたいと思う一冊だった。仕事をする上で迷う部分が的確に言語化されていて、それがとても現実的な解決策なのだ。

  • 最近会議だらけで、準備不足なまま次の会議にでちゃてるな、前の会議のこと忘れてたりするな…

  • この仕事、苦手なんだけど向き合い続けて成果出せるのかな…

  • 好きなことやってるはずなのになんでこんな辛いんだろう?

  • リスク管理って結局何すればいいの?

  • 会議が義務的に終わっていって意味がなくなってきている気がする

などなど、最近なんかいまいち仕事上手くいかないんだよな〜と思ってる自分にありがたい本でとても良い本だった。

マネージャーの問題地図

「地図」ってタイトルからよくある薄味の仕事本かと思ったら、仕事の現場で起こる問題を具体例にマネージャーとしてどう向き合うのか?を丁寧に書いた本だった。具体例が本当に具体的なので実践的なので、なんかとりあえず「お前今日からマネージャー」と言われて迷ってる人におすすめ。こういう現場に即した視点の本はあるようで意外とないです。

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