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春が立つ何なら卵だって立つ

はるなんならたまごだって

 立春の時に卵が立つという話は、近来にない愉快な話であった。
 二月六日の各新聞は、写真入りで大々的にこの新発見を報道している。もちろんこれは或る意味では全紙面を割いてもいいくらいの大事件なのである。

中谷宇吉郎『立春の卵』
藤野一友《卵を背負った天使》1964年

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