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川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』読了
こんなSF全開の話とはつゆ知らず。Kindleで積読してると帯情報も無いからまっさらに読み始められて良い。
内容も非常に良かった。この話のようなことが起こらないと誰が言えようか。破滅に向かう人類の愚かさ、僅かな希望を信じる強さ、自己と異なるものを許容できない弱さ、どれも他人事ではない。
柔らかな文体とは裏腹に残酷な近未来を突きつけられる感じ。それでもこの文章だから後味悪くならずに希望を見出そうと思
早見和真『店長がバカすぎて』読了
こういうお仕事系小説を読みたくなるときってだいたい仕事やキャリアや会社組織にモヤモヤした不安や不満や違和感を持っているときなんだよね。
上司への不満、同僚への不満、会社への不満、仕事相手への不満、そして結局自分自身への不満。主人公の屈折している内面や見方によってますます悪い方向へ負の感情が高まっていく感じ。理解できる部分もある。何かをキッカケに感じ方や見え方が好転することもある。主人公の場合はそ