最近の記事

m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第五回

第五回 「お前が信じるそれと、お前の価値は断じて等価値ではない」(下)  随分と間が空いてしまったが、「コンテンツの価値を崇高なものとする」から「それを崇める自分も崇高である」に陥ってしまう現象について続きを書いていく。  往々にして自分の推しを持ち上げる際に他方をサゲる、というのはよく観られる光景である。  個人的によく目にする例を挙げていこう。  バーチャルYouTuber。通称VTuber。  設定や建前を敢えて無視して説明すれば「画面上に表示されるキャラクターを

    • m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第四回

      第四回  特別寄稿「Aqours9周年とFINALE LIVE発表によせて」  本来、前回投稿記事の続編の予定であったが、急遽内容を変更し本来の内容は次回とさせていただく。 (記事内は敬称略)  一週間近く経過し、冷静さを取り戻したので改めて思いの丈を綴ろうと思う。  2024年6月30日、激震が走った。  「永久hours Project」の発表会、と銘打ったその生放送は久々のメンバー9人勢揃いということもあり、多くのラブライバーがその当日を心待ちにしていたのでは

      • m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第三回

        第三回  「お前が信じるそれと、お前の価値は断じて等価値ではない」(上)  ものものしい表題になってしまったが、今現在の私の言いたいことを端的にまとめるのであればこれ以上短くなりようがないので致し方がない。  政治的なものも含めて思想、主義、生き方、果ては趣味のジャンルに至るまでどうにもこうにも「お前、そのやり方と言い方で賛同者が増えるとでも思ってるのか?」というケースが目に余る。  というより「世界の分断」(笑)とやらの根底はほぼこれであろう。  一例をあげるならヴィ

        • m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第二回

          第二回 田舎暮らしとオタク今昔  今さら私が言うまでもないが、都会に暮らす人の連想する「田舎」と田舎に暮らす人のそれにはだいぶ隔たりがあるようだ。  つい先だっても「イオンくらいしか娯楽がねえ」と中堅地方都市をけなしたツイッター(意地でもXと呼ばない派)アカウントが炎上していたし、「定年後はゆっくり田舎で…」などと意気揚々と移住したまでは良かったが想像以上の不便さや地元住民との軋轢で「こんなはずじゃなかった…」となる話は枚挙にいとまがない。  おおむね都会の人々が連想する

        m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第五回

          m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第一回

          第一回 池波作品と池波正太郎ごっこ  歴史が好きなので、自然と歴史モノのドラマや時代劇が好きとなる。  私が中学生の時、故・中村吉右衛門さん主演のドラマ時代劇「鬼平犯科帳」が放送スタートした。  「鬼平」のドラマ化はこれが二代目なのだと知ったのは随分経ってからなので私からしたら「鬼平」といえば吉右衛門さんであるし小房の粂八は蟹江敬三さんだし、相模の彦十は誰がなんと言おうが江戸家猫八さんだ。  そして「鬼平」の単語を見るだけで脳裏にはジプシーキングスの「インスピレイション」が

          m2エッセイ「自分、エッセイいいすか。」第一回

          【蓮ノ空感想文】 「わが母校、蓮ノ空女学院」

           2024年3月9日、10日。  ラブライブ!シリーズのユニットが一同に集うという、ファンが夢にまで見た一大イベント「ユニット甲子園2024」が行われた。  実際の高校野球を模した全校全ユニット入場。  一番最後に入場したその学校へ向けられた声援はひときわ大きく聞こえ、一種の「熱」を帯びているかのように感じられた。    蓮ノ空女学院。  ラブライブ!シリーズで最も新しく、本格始動からようやく1年を迎えるその「ルーキー」達が姿を現した瞬間に会場全体を包みこんだ音と熱量が、果

          【蓮ノ空感想文】 「わが母校、蓮ノ空女学院」