日商簿記2級受験の記録
こんにちは。
2022年6月12日に受験した日商簿記2級に合格することができたので,その記録を残しておきます。
はじめに
私は2022年4月に大学に入学したばかりの新1年生で,理学部数学科ですので簿記とは全く関係のない学問を専門にしています。そんな私が簿記検定を受験するに至った経緯を(将来自分自身で振り返るためにも)記しておきます。
私は純粋に数学が好きで数学科に進学したのですが,数学で食っていけるほど数学のセンスがあるかと言われると全くもってありません。そのため,高校生活の中盤くらいまでは「このまま数学科に進んで数学の先生になるんだろうな」と思っていました。現在塾講師として数学を教えるアルバイトをしているのですが,数学は大好きですし,人に教えることも大好きですので,教師という職業は自分にとって正しく天職であるように思います。
しかし,少子高齢化などの影響もあり日本の昨今の教育業界における教育者の待遇は悪化する一方のように思えます。そのため,私は小学生の頃からの夢"教師"に代わるお金になる職業を探し始め,"アクチュアリー"という職業を見つけました。数学科で進路について考えたことがあるような方であれば,誰もが聞いたことのある職業だと思います。簡単に説明すると,金融分野で高度な数学を用いて数理業務を行う専門職です。
アクチュアリーへの進路を現実的に考え始めたのは高3冬~浪人夏ごろでしたが,私は中学受験を終えてから数学以外一切勉強をしてこなかった本物の怠け者で,数学以外にもたくさんの科目がある大学受験へのモチベーションもあまり維持できなかったため,自分の将来をこの資格の勉強に賭けてやろうとすんなり決心しました。今は大学1年生の前期ですが,どちらの道にも行けるように教職課程も履修しながらアクチュアリーの勉強をしています。
かなり話がそれてしまいましたが,このアクチュアリー資格試験の1次試験の5科目のうちの1つに「会計・経済・投資理論」という科目があり,その中の会計分野の出題範囲が日商簿記2級と丸かぶりしているのです。それなら一緒に簿記2級を受けてしまったほうがお得ですから,受けてみようと思ったわけです。
スケジュールと使用参考書
スケジュール
私の合格までの勉強スケジュールは以下のとおりです。
3月下旬~4月上旬ごろ
簿記2級を6月の筆記形式の日程で受験することを決定。4月上旬ごろ
3級の勉強を開始。4月下旬ごろ
3級の勉強が終わり,2級商業の勉強を開始。5月中旬ごろ
2級商業の勉強が終わり,2級工業の勉強を開始。5月末
2級工業の勉強が終わり,本試験問題集で演習開始。6月12日 簿記3級・2級受験&合格
使用した参考書
私は3級も2級もすべて独学で勉強し,使用した参考書は以下のとおりです。
スッキリわかる 日商簿記3級 (TAC出版)
スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 (TAC出版)
スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 (TAC出版)
合格のための本試験問題集 (TAC出版)
数多くある簿記の参考書からスッキリわかるシリーズを選んだ理由ですが,これは単純にテキストと問題集がセットになっていて安かったからです。正直どれを選んでも変わらないと思うのでペラペラめくってみて進めやすそうだと思ったものをやれば大丈夫だと思います。
勉強法
基本的には,テキストを読んでみて章ごとに問題を解くというスタイルで勉強しました。本当は,単元ごとに問題を解いてみて,章ごとにもう一回まとめて解くという方が良いと思います。単純に面倒だったのと時間も限られていたので章ごとに行いました。また,最後の1週間で本試験問題集を行いましたが,とても力が付きました。試験本番1週間前,工業簿記が全くわからず意気消沈していたのですが,本試験問題集にすべてを助けられました。どんなに忙しくても最後に過去問か演習問題集をやったほうがいいです。
私が勉強法について他の受験生と異なるかもしれないという点として,ただテキストを読むだけでなくノートにまとめ直すということを行いました。
これは,私のノートの一部ですが,必要なことのみをまとめておいて,あとから見返す必要性が生じたときはノートだけで対処できるようにしていました。また,言葉だけだとわかりにくいことも多いので,単元ごとに1つ仕訳の例を記していました。本当に地頭の良い方ならテキストを読むだけで簡単に理解して覚えられるのでしょうが,私はどうしても暗記が苦手でこのように自分で文章として再現し直さないとうまく頭に入ってくれません。もし暗記が苦手な方がいらっしゃいましたら一つの意見として参考にしてみてください。ここからは具体的な勉強法や勉強してみての所感を述べます。
3級
私は4月の段階では簿記の「ぼ」の字も理解していなかったので,本を買うまでは,お金のことについて扱うんだろう,といったくらいにしか簿記への理解がありませんでした。そんな中から勉強をスタートしたので,はじめは出てくる言葉一つ一つに戸惑いながら進めました。数日勉強してくると,簿記の概念にも慣れてきてスムーズに学習が進むようになりました。
最後の帳簿への記入と決算整理の単元がよくわからないまま2級に進んだのですが,2級商業で嫌というほどでてくるので克服できました。
2級商業
2級商業は基本的には3級の延長ですのでスムーズに勉強することができました。ただし,単純に範囲が3級の3倍くらいありますので,覚えることは多いし扱う内容もどんどん高度になりますし,かなり大変でした。特に,有価証券や税効果会計の単元は,新しい概念でありながら内容も難しく,覚えなくてはならないことも多いので少し苦戦しました。2級商業を勉強している間に3級の復習の内容もたくさん出てきますから,3級の内容が完璧である必要はないように感じました。
しかし,2級最後の単元,「連結会計」についてはうまくすべてを飲み込むことはできず,最後まで完璧には理解していないまま本番を迎えました。もともと1級の範囲だったらしいです。なんで2級に降りてきたの…。
2級工業
2級商業がある程度スムーズに進んだのに対し,2級工業は大変苦戦しました。範囲は商業の半分程度しかなく,勉強を始める前はページ数を見て楽勝だと思っていたのですが,いざ蓋を開けてみると全然そんなことはなく痛い目にあいました。特に,最後の方に出てくる「標準原価計算」と「直接原価計算」が本当に難しく,その勉強をしているうちに前の方で習得したはずの他の原価計算も忘れてしまい…といった悪循環によってとても苦しめられました。
私は工業よりも商業が得意なのですが,普通の人は商業ではなく工業が得点源となるようです。(私も本番は実際にそうなりましたが,後で載せる本試験問題集の点数推移を見ればわかるように,商業で稼いで工業で半分取るという目標で演習していました。)そもそも工業簿記を勉強する時間が10日くらいしか取れなかったことが原因かもしれません。工業簿記は全体像をつかめば簡単とよく言われますが,私は最後まで掴めませんでした。(本試験問題集でゴリ押しました。)これを読んでいる方は,私のようにならないためにも,工業簿記にしっかりと時間を割いて,全体像を理解できるようになって欲しいです。
大事だと思った論点
私は独学で勉強していたので,イマイチどこが大事でどこが大事ではないのかという分別が行えないまま勉強をしていました。読者の中に同じようような境遇の方がいると思いますし,私も数年後にもう一度学び直さないといけないですので,ここに保存しておきます。
勘定科目の5つの分類
最初の最初に出てくる話ですが,とても大事です。簿記の基本中の基本になっています。どれが借方でどれが貸方なのかをしっかり頭に入れて,出てくる勘定科目をうまく分類して整理しましょう。前払い・未払いの処理
何度も出てきますが,試験でも絶対に出るので大事です。他社振出の小切手は現金で処理
貸倒引当金は前期に購入した債権にかけられるので,当期発生の貸倒れは貸倒損失で処理
建物購入時の「保証金」「敷金」以外はすべて付随費用
工業簿記の「給料」は,お金を「仕掛品」あるいは「製造間接費」に振り分けるためのプールのようなもの。
他にもたくさん大事な論点はあると思いますが,私自身勉強不足ですのであまり挙げることができません。前述した通り,結局は演習用の問題集でいかに穴を埋めれるかにかかっていると思います。
得点推移
最後に,自己満のようになってしまいますが,ブログ自体自己満ですので,得点推移を載せておきます。合格点は70点です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。以前からブログを書いてみたいと思っていたので良い経験になりました。これから簿記2級を受験する方の参考になれば幸いです。
今後も大学の勉強や資格の勉強について進捗があればまた投稿しようと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
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