Minami

ヨガの練習、勉強、日常生活について投稿しています。 インスタグラム@minami.do…

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ヨガの練習、勉強、日常生活について投稿しています。 インスタグラム@minami.dolife

最近の記事

できないことを分解してみる。

その精神性の深さに魅了された日からヨガを始めて、約10年経ちました。 Minamiです。最近は毎日ピラティスやアシュタンガヨガの練習を行ってます。zenplaceというスタジオで教えてもいます。(レッスンのご予約はメッセージください。)多くの人にヨガの魅力が伝わるといいなと思い、Noteを書くことにしました。宜しくお願い致します。 私にはできないポーズがたくさんあります。みなさんは何かできないことはありますか? できる/できないは1か0の話ではありません。できないことを分解

    • 先生に聞かれてハッとしたこと

      その精神性の深さに魅了された日からヨガを始めて、約10年経ちました。 Minamiです。最近は毎日ピラティスやアシュタンガヨガの練習を行ってます。zenplaceというスタジオで教えてもいます。(レッスンのご予約はメッセージください。)多くの人にヨガの魅力が伝わるといいなと思い、Noteを書くことにしました。宜しくお願い致します。 東京は寒くなってきましたね。みなさんのお住いの地域はいかがでしょうか。私はここ半年、IYC(International Yoga Center)

      • 窓の外には風景というものがない。そこにあるのは純粋な抽象概念のような、色のない空間だ (アフターダーク)

        たった一夜、渋谷という町のほんの一角で起こった出来事、 この出来事は、この社会の縮図のようだ。 物語を俯瞰する視点「私たち」は、自由自在に高度を調節しながら、人々を観察する。 視座を高くすることで、この社会または世界全体で起こっていることの根源が見えてくるのではないだろうか。 村上春樹さんの「アフターダーク」を読んだ。 白川のオフィスの無機質さは、私がサラリーマンをしていた時の会社を思い出す。 やる気のない色をした壁、机や椅子。 開放厳禁な高層ビルの窓。風、日光、雨から遮

        • 花が枯れていく移ろいに魅力があり、それは村上春樹の小説だ

          花が枯れていく過程を眺めるのが好き。 村上春樹さんの小説が好きな理由もここにあるのかも。 過程を描くのがとても上手だと思う。 過程とは、 2つの異質な物語がゆっくりと交わっていく様子、 登場人物の大切な部分が少しづつ失われていく様子、とか。 (そして、損なわれたと思うと次にちょっぴり回復したりする動き) その移ろいの中で生まれる微妙な危うさが小説の大半を張る。 長ったらしくて回りくどいと非難する人もいるが、私にとってこの白でも黒でもないグレーな状態がとても興味深いん

        できないことを分解してみる。

        • 先生に聞かれてハッとしたこと

        • 窓の外には風景というものがない。そこにあるのは純粋な抽象概念のような、色のない空間だ (アフターダーク)

        • 花が枯れていく移ろいに魅力があり、それは村上春樹の小説だ

          「たくさんの言葉を、可能な限り正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ」 舟を編む

          三浦しをんさんの「舟を編む」を読んだ。 1冊の辞書の出版に携わる人々の情熱と執着。 誰も傷つけることない、最上級に心が豊かになるストーリー。 分量、文体そして内容の全てにおいて、読みやすさ◎の本。 普段使っている私たちの言葉の重みや精緻さを発見することができた。 言葉を発することで、私たちは何かを共有し、喜び、悲しみ、苦しみを一緒に感じることができる。 日頃から、言葉って本当に難しいと思う。 会話している時、頭で考えていることを言葉に変換しようとするけど、的確な言葉が出

          「たくさんの言葉を、可能な限り正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ」 舟を編む

          「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできない」 海辺のカフカ

          海辺のカフカを読んだ。 「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのはことばにはできないものだから」 言葉にした途端、ありきたりで残念なメッセージに変わってしまいそうな恐怖がある。人生のいろんな場面で、異なる場所で、何度も読む価値のある小説だと思った。 私たちの社会には、想像力の欠いた人々がたくさんいる。私にもそういう部分があると思う。 突然起こる砂嵐のように、理不尽な暴力はふわっと沸き起こり、人から人へ巻き込みながら段階的に強さ

          「ことばで説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできない」 海辺のカフカ

          「恋愛はインモラルな人間の特権」 神様のボート

          江國香織さんは、恋愛の機微を表現することに長けていらっしゃる。江國香織さんの小説に出てくる、深みのある大人な女性には、いつも惹きつけられてしまう。 「神様のボート」の主人公、葉子も。 東京育ちで上品な両親に育てられたんだけど、本人は奔放で時に不良、そしてニコチンと切ない恋愛は経験済みよ、そういう女性。 そういう女性、現実にいるんですよね。 高校の時の友人の母親を思い出した。笑 あぁ。誰か。私に対してこんな質問をしてほしい。 「将来どんな母親になりたいの?」って。 そしたら

          「恋愛はインモラルな人間の特権」 神様のボート

          雨は言霊

          雨だ。 雨には動きがある。匂いもある。独特の空気も。 私の心も、雨につられて動く。 いろんなことを思い出し、いろんな人を想う。 言葉が、一つ一つ、降ってくる。 雨って言霊のよう。 雨が好き。 雨は必ず向こうからしかこない。 私の気持ちに関係なく、突然やってくる。 だから、大好きなケーキを食べる時間とか、好きな人と寝た後のベッドとか、 それよりも貴重なんだ。 雨の聖域に包まれている時間が好き。 雨が嫌いな人は、きっと人生を難しく考えすぎている人だ。

          雨は言霊

          「我々は二人で東京の街をあてもなく歩き続けた。まるで魂を癒すための宗教儀式みたいに、我々は脇目も振らず歩いた」 ノルウェイの森

          今日は「ノルウェイの森」について書きたい。 そう、あの有名な「ノルウェイの森」(村上春樹さん著)だ。 あらすじは、ネットで探せばいくらでもあるので割愛して、以下、3つの点でこの物語は大作と言える。 物語を読んだことがある方は、ぜひ最後まで一読していただきたい。 (そしてコメントを残していただけたら最高に嬉しい。) ①普遍的なテーマを物語で表現したこと いくつものテーマが多層的に絡み合っている。愛、生と死、善と悪。 ②巧みな比喩表現 人物の感情を、外界の情景や状態で表現す

          「我々は二人で東京の街をあてもなく歩き続けた。まるで魂を癒すための宗教儀式みたいに、我々は脇目も振らず歩いた」 ノルウェイの森

          「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ」 コンビニ人間

          幼い頃から周りが解せないような行動を、悪気なくとってしまう主人公、古倉恵子(36歳) 例えば、学校で男子が喧嘩しているときに、「誰かとめて〜」という外野の声に対して、スコップで思い切りその男子の頭を殴ってしまったり。教室で先生がヒステリックになり泣き出した時、必死で止めようとして、先生のスカートとパンツを下ろしたり。 本人としてはいたって普通に反応しているだけなのに、周りからは「変わった子」として一線を引かれてしまう。 そんな彼女が社会の一部として自負できる仕事、それが

          「普通の人間っていうのはね、普通じゃない人間を裁判するのが趣味なんですよ」 コンビニ人間

          小説を読む喜び 絲山秋子さんの小説

          絲山秋子さんの「小松とうさちゃん」を読んだ。彼女の本を読むのは、「勤労感謝の日」、「沖で待つ」を読んで三作目だ。 ラジオを聞いている状態と同じくらいの心地良さ。 この文章力のすごさ、長年本を読んできたからこそ、身にしみわたって味わえる気がする。その文章自体に、途中で読みやめる理由などない。読みやめるときは、眠くなってきた時や他に用事がある時など、自分都合にならざるを得ない。 「小松とうさちゃん」には、2人のおじさんの生活が描写されていた。 ある日電車で、隣に座ってきたおじ

          小説を読む喜び 絲山秋子さんの小説

          「深夜特急」片手に、普通列車旅(2)

          岡山の備中高梁駅から始まり、姫路駅で東海山陽本線に乗り換えた。4人がけのボックス席の隅に座って、外の景色を眺めていた。季節は梅雨入り前の春であったが、その日の天候は、夏を感じさせた。圧倒的な太陽の日差し、小刻みに揺れる波、宝石のような大海。岡山の地から見るいつもの眺めとは違う、島々の影が全くない瀬戸内海が新鮮だった。 「きれい」以外の形容詞を探す気力もなく、ぼうっと眺めていると、その日の朝の出来事が回想された。約1ヶ月間一緒に過ごした別れ際、おばあちゃんは私にお小遣いをくれ

          「深夜特急」片手に、普通列車旅(2)

          「深夜特急」を片手に、普通列車旅

          朝起きた。同時に感じる空気の新鮮さ、外へ出たら一歩先に広がる稲作風景、私は岡山県吉備中央町にあるおばあちゃんちにいた。世間では連日、新型コロナのニュースで溢れんばかり。「緊急事態宣言の解除はいつか?」が論点だ。新型コロナのニュースを見ることのない日が早く来て欲しい、という私の願いとは遠い現実。 数週間が経ち、ついに全国で緊急事態宣言が解除された。私は、今いる岡山の田舎から東京へ帰ろうと思った。手元には、読み始めた「深夜特急」(沢木耕太郎氏著)。面白くて仕方なかった。イン

          「深夜特急」を片手に、普通列車旅