ついに遺族が立ち上がった。

 17年前の2006年4月10日、木原・官房副長官の妻の前夫・安田種雄さん(享年28)が自宅で不審死した。週刊文春は2023年7月初旬から3週連続でこの事件を詳報した。
 木原氏には直接の関係はないとされるが、「俺がいなくなったらすぐ妻が連行される」という話がネットに公開されている。同氏はこれについて説明をしないまま、文春に刑事告訴をちらつかせている。
 7月17日遺族の父親は所轄の大塚警察署長に捜査を希望する上申書を提出した。そんな最中の7月20日遺族3人が再捜査の再開を求めて記者会見を開いた。種雄さんの遺体は東京・文京区大塚の自宅で発見されたが、第一発見者は父親だった。
 遺体の傷は頭上から喉元を突き、肺に達していた。死因は失血死で、不審な点が多かったにもかかわらず、警察は体内から致死量の覚醒剤を検出したこともあり、自殺の可能性が高いと判断した。しかし、遺族は種雄さんが自殺する動機や方法に疑問を抱いており、死因に納得していない。
 会見で遺族は次のような疑問点を挙げた。第一に種雄さんには自殺の動機がなかった。午前3時頃にもかかわらず、玄関は鍵がかかっておらず、電気も点いていなかった。父親は家の方向から来た不審者とすれ違った。凶器はナイフではなく、ドスか日本刀のようなものが使われた可能性がある。
 遺体の右太ももにナイフが置かれていたが、血液の付着はなく、血吹雪は天井まで届いていた。また遺体から1mほど離れた部屋では妻と2人の子供(1歳と3歳)が眠っていた。
 まだその他にも幾つかの重要な疑問点がある。事件直前の種雄さんの携帯電話の通話記録や足取り、重要参考人として妻とその不倫相手の供述など明らかにされるべき証拠や情報がある。
 この事件は自殺ではなく、他殺である可能性が高いと考えられる。警察の捜査に何らかの不手際や忖度があったのではないかと疑われる。いずにしても、国民の前に全貌と真相を明らかにし、責任を取るべきである。
 この事件は18年に警視庁捜査1課が未解決事件として再捜査を開始した。重要参考人として木原氏の妻を聴取し、14年に入籍した同氏にも聞き取りを行った。妻の関係者からは嫌疑を裏付ける供述が得られたが、理由は不明のまま再捜査は縮小され、立件には至らなかった。
 目下の不審の対象は警察である。

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