森永卓郎氏について。

 2023年5月、森永卓郎氏(66)はフォレスト出版から「ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト」という本を出版し、現在18版で、11万7000部の発行部数を数える。
 この「ザイム」の意味は財務省を指し、普通の人が知らないことがたくさん書いてあって、わが国の財政や経済、すなわち国の借金や国債や税金、財務省や日本銀行などについて容易に理解できる。
 森永氏は90年代から経済アナリストとして数多くのメディアで活躍し、現在まで鋭いコメントやわかりやすい解説が注目を集め、人気を博している。03年3月「年収300万円時代を生き抜く経済学」を出版し、早くから年収300万円の時代を予測した経済学者で、現在は獨協大学の経済学部教授を勤める。この本は200万部以上を売り上げ、5億円以上の印税収入を入手した。
 財務省はわが国の借金は山のように巨額であり、財政赤字もとんでもないことになっていると盛んに喧伝し、国民を脅かしている。確かに、現在の普通国債残高は1975年頃から累増の一途をたどり、23年度末には1068兆円に上り、国民総生産(GDP)の2倍以上を示し、主要先進国の中で最も高い水準にある。
 同省は経済を破綻から救うには、どんどんと増税する以外、すなわち消費税を上げていくこと以外に方法はないの一点張りである。そのため国民はそう思い込み、信者8000万人の巨大カルトを作っていると筆者は揶揄している。
 国の借金は1200兆円とされる。しかし、これに地方債や長期国債の残高など加えると、実際には全体で1600兆円ぐらいの借金がある。一方、巨大な借金を抱えながらも、世界最大の資産を持っている。要するにわが国は銀行から借金し、そのまま預金しているような状態で、差し引きの借金、すなわち本当の借金は500兆円程度である。
 しかも、この500兆円の借金は日本銀行が国債として保有しているので、政府の子会社と言われる日銀に国債を買ってもらえば元本も返さなくていい。当然、ほとんどゼロ金利であるからには利払いは少ない。
 国民には信じがたいが、森永氏に言わせると、今のわが国は世界で唯一、借金ゼロの国である。そして、財政赤字も新型コロナ感染症が始まった20年度は、約80兆円の赤字だったが、それでも何の問題もなかった。今年24年度予算では、赤字は8兆円しかない。少し税収が上振れするだけでゼロになり、借金はなくなり、赤字もないという話になる。
 しかし 30年以上も経済が停滞する中で この巨大な歯車を回してきたのは、国民の努力の賜である。80年頃の国民負担率は30%だったが、増税に次ぐ増税で、今は48%に達し、稼いだお金の半分は政府が取っていく。
 消費税も3%から5%、8%、10%になった。さらに健康保険料や介護保険料、電気料金、ガス料金、ガソリン価格、上下水道の料金なども上がっている。これでは国民は困窮するばかりで、国民負担率を大幅に引き下げる必要がある。
 森永氏の意見を参考にして、改めて国の借金について述べた。

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