東京都知事選挙2024について。

 都知事選は小池知事の7月30日の任期満了に伴い、6月20日に告示され、7月7日に投票と開票が行われる。4月11日に政治団体「NHKから国民を守る党」の党首である立花氏が、13人を擁立する発表も併せると、歴代最多の50人前後が立候補する見通しとなる。
 正しく乱世にふさわしく、乱戦で、波乱があるかもしれない。実質的には現職の小池(71)氏、立憲民主党の蓮舫参院議員(56)、広島県安芸高田市長の石丸氏(41)の3人が有力な候補者だが、前者の二人の一騎打ちとなりそうだ。
 その他につばさの党の黒川氏、元航空幕僚長の田母神氏、タレントの清水氏などの名前が挙がり、都知事選は8回目の挑戦となる常連の発明家のドクター中松氏(95)も健在である。
 今回の争点は小池都政2期8年の評価、少子化対策や子育て支援、国政における「政治
とカネ」の問題、明治神宮外苑地域の再開発の4点に絞られそうだが、小池氏のカイロ大学の学歴詐称も再燃しそうだ。また蓮舫氏は都が認可した明治神宮外苑の再開発について、経緯の検証や残る手続きの厳格化などを盛り込むようだ。
 小池氏も蓮舫氏も小気味よいワンフレーズで注目を集めるのは得意だが、その実行力には疑問符が付く。ともに見てくれの良さだけで政治の世界へ飛び込んだだけに、どちらが知事になっても、不足するところがあるかもしれない。
 まだ告示前だが、メディアの下馬評によると、2期8年の現職がわずかにリードするが、自民、公明両党が実質的に支援する小池氏と立憲民主、共産、社民各党が支える蓮舫氏の女性対決で燃え上がるのは間違いない。
 すでに前哨戦は始まっている。小池氏は14日の定例会見で、「小池都政のリセット」を訴えて出馬表明した蓮舫氏を批判し、都知事選に国政を持ち込むと、都民が戸惑う、都政をどうしていくかが問われていると敵意を露わにした。
 その都政が問題である。小池氏は16年の初当選時に「7つのゼロ」を公約として掲げた。1.待機児童ゼロ、2.介護離職ゼロ、3.残業ゼロ、4.都道電柱ゼロ、5.満員電車ゼロ、6.多摩格差ゼロ、7.ペット殺処分ゼロの7項目を打ち出し、仰天させた。
 知事にいくら権力があろうとも、介護離職ゼロ、残業ゼロ、満員電車ゼロなどは無理な話で、こんな公約が達成できるか大いに疑問があった。このうち「待機児童」と「ペット殺処分」の2項目はほぼゼロを達成したが、いまだ他の5項目はほとんどできていない。
 18日10時小池氏はオンラインで記者会見を開き、公約として保育料無償化の拡大や無痛分娩の助成制度の創設などを柱に据えた。選挙戦では「東京大改革3.0」を掲げ、少子高齢化対策や経済の活性化、防災などを訴えると述べた。
 同日14時蓮舫氏は記者会見を開催し、「七つの約束」と題した公約を発表し、樹木伐採が批判を浴びる神宮外苑の再開発計画については見直して、大切な緑を守ると明言した。公約で実現不可能なことは約束しないとし、少子化対策、保育・教育・介護・医療、行財政改革、政治改革の7項目を挙げた。

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