腹黒い政治家。

 最近、自由民主党の政治資金パーティーに関する裏金問題が表面化した。政治家は自分たちの利益のために公的な資金を私費や選挙に流用し、法律はむろん道徳的にも許されない卑劣な行為が広く蔓延っていた。また事後の彼らの誤魔化しの対応を考えると、わが国の未来に対する深刻な懸念が生じる。
 近年、悪質な政治や経済の悪さによって、わが国では多くの人が投げやりになり、国民の質が低下した。例えば、同僚が出張から帰ってきた時など、しばしば手みやげを渡されたが、後日その同僚は会社経費で自分にも同じ品物を買い込み、すべて私に渡したように社内で会計処理をしていた事実が分かった。役所や企業を含めてこの類いの事例が多い。
 その一方、名前はなくても、メディアが取り上げなくても、ごく少数ではあるが、素晴らしい人々がいる。彼らは社会の片隅で正義や不公平を切々と訴え続けたり、業種とは関係なく、正義や道徳に基づいて業務や仕事にひたすら打ち込んでいたりする。そして、自己の利益より相手を優先し、公正で透明な社会の構築を目指している。こういった人たちがぎりぎりのところでわが国を崩壊から救っているのかもしれない。
 腹黒い人が政治を動かしている限り未来はないが、しかし、私たちには選挙で腹黒い候補者を選ばないという選択肢がある。それにはその特徴を知っておく必要がある。狡猾な人は綺麗事が多く、表向きは良いことを言っていても、裏では違う顔を持っている。みんなで頑張ろうと言いながら、自分では何もしなかったり、その一方で自分の利益のためには何でもする。
 彼らは自分のミスを素直に認めない。逆にミスを指摘されると、逆ギレして相手を攻撃する。自分は悪くないと言い張って、他人に責任を押し付ける危険性がある。また都合が悪くなると、急に知らないフリをしたり、そんな話は知らないとか忘れたなどと言ったりして、責任を逃れようとする。
 すぐに求めている答えを戻す人も要注意で、相手が求める答えを返すのが上手く、それは本心からではなく、相手を味方につけたり、機嫌を取ったりする。いつも自分の意見に賛成してくれる人は要注意の人である。
 あの人がまた貴方の悪口を言っていたと陰口を報告してくる人も、実は腹黒い可能性があり、陰口を話すことで、信頼を得ようとする。陰口の話が多い人とは距離を置くのが良い。
 彼らは利益のためには、他人を利用するのは厭わない傾向があり、地位や権力を維持するために、他人を踏みにじることも辞さない。また目的を達成するためには、嘘をつくのも厭わず、公約や約束を破っても、さほど気にしない。
 現在、東京都知事選挙の最中である。候補者の中には自己の思惑を隠して、有権者を誘導しようとする言動も少なくない。このような狡猾な候補者を見抜くのが、私たちの責任であり、同時にわが国の未来を守る。

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