［第ニ十話］白虎隊の学舎。日新館

県総体を目前に控えた3連休。
その前に、県外の練習試合にお呼ばれしました。

…確か、先輩達の時はなかったと思う。
私が知らないだけ？？？
いや、無かったはずだ。

先輩達の成果なのか？
それとも、男子が東日本大会でベスト8に入った功績なのか？
どちらでもいいけれど、いつもと違う環境で弓が引けるのは、刺激になる。
遠征大好き！！

この遠征では、N部長と、ジャスミンちゃん率いる、N東高校と行き帰りのバス、同席する事になりました。

片道約4時間。
2泊3日の遠征。
遠征中にはN東高校の皆さんとはすっかり仲良くなりました。
ジャスミンちゃんとは個人的に卒業しても遊んだり、卒業後は母校とN東高校の合同飲み会をしたり。
比較的長いお付き合いをさせて貰っていました。

話を戻して。

日新館に到着すると、まずはお昼ご飯。
席に着くと、何やら普通のラーメン丼ぶりの2倍位の大きさの器に入ったラーメンが配られました。

0w0(仮)「(ひとテーブルに1つとかかな？取り皿とお箸足りない……)」

そんな事を考えていると、そのクレイジーサイズのラーメンは、ひとテーブルに１つではなく。
全員に１つずつ配られました。

母校部長「合掌！！いただきます！！！(ヤケクソ)」
母校＆N東高校一同「いただきます！！！(ヤケクソ)」

今まで見た事のない量のご飯が出てきて、おそらくそこにいた全員が面を食らっていました。
喜多方ラーメン…初めてお目にかかるが、そんなにデカイもんなん？と、思いながら、爆笑しながら麺をすする。

2年生一同「こんなに食べれないよぉ〜」

0w0(仮)「………。(そうだよね、山梨の時は飯に文句をつけるな、と言ったけど、この非常識な量は、流石に何も言えん…美味しそうだけども、デカすぎや…)みんな、無理しなくて……」

監督「大前、ちーちゃん、落ち前……無理しなくていいからね？残してもいいよ。」

2年生一同「はい。」

0w0(仮)「(監督に先に言われた。)
……ガツガツ！！(3年生の意地じゃ！！)」←爆笑しながらカッ食う馬鹿１名。

体育会系、脳みそ筋肉の私は、一口を大きく取り、あまり噛まずに麺を体内に流し込んでいました。
はじめの数口は、あっさり醤油味。お肉の油に甘味があってとってもとっても美味しく感じたのだけど。
途中からフードファイトしている気分になってしまい、味がよく分からなくなった。

0w0(仮)「なんとか完食。ご馳走様でした。もう食べれません。」

昼ごはんの後。
今度はN東高校の部長の号令に続いてみんなで
「ご馳走様でした。」
みんなの声が死んでいた。
試合前なのに、死んでいました（笑）

昼食後、道場に移動しました。
日新館……趣があって、THE戦前の良き日本！！という雰囲気の施設。
所々から香る藁や土埃の薫り……
畳の香りに、格式のある佇まいの立派な道場……

2日間、ここで弓が引ける。
練習試合が始まる前からワクワクしていました。

合宿中。
天井が高くて、凛とした雰囲気で。
的の向こうには山が綺麗に見えている。
これまでに無いくらい最高過ぎる道場の雰囲気につられて、私たちのチームは、全員が調子が良かったです。

私も、この合宿中に、いきなり……
本当にいきなり、胴造りどうづくりと会の伸び合いの感覚が、自分の中で確たるものになって、面白いくらいに的に中る。
そして、中る感覚と中らない感覚を、合宿が終わる頃には、感じ取ることができるようになっていました。

0w0(仮)「(中ると確信するまでは離さない……)」

この合宿中。長年早気気味だった会が解消され、6秒程度に整うようになりました。

そして、誰よりも1番この合宿で覚醒していたのは、副部長でした。

団体戦と個人戦でひたすら練習試合をしていましたが、本当に腹立たしい位に、副部長は中てまくっていました。(確か個人戦の射詰めにも出ていたような…)

この合宿で、更にチームは成長し、県総体前にして、的中は、20射16中以上もボチボチ出せるようになりました。

私の方も、初めて8射皆中かいちゅう(正確には4つ矢×3セットで、10本連続的中)をしてから、皆中かいちゅうが県総体までに何度か出せるようになりました。

会津合宿〜県総体までの短い期間。
とにかく、みんなの成長が著しい時期でした。