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映画『ビューティフル・ボーイ』 感想

Everything.

父と息子が別れ際に交わす、暗号のようなふたりだけの挨拶。「自分のどこを愛しているのか」と問う幼い息子に、父が返したその言葉が強く印象に残りました。

家族内での拭えない孤独感や理想像との乖離に苦しみ、ドラッグに溺れていく青年。美しい少年を期待して愛する息子を追い詰め、それでも家族の父でいなければならない男。

どんなに形になろうと失われなかった切ない愛が丁寧に描かれて、苦しい感情に胸が締め付けられます。大人になる過程で、家族との生活で、覚えのある葛藤ではないでしょうか。

観賞後すぐは余韻を大切にしたくて感想も言いたくなかったのですが、ようやく気持ちが落ち着いたのでひとりでも多くの人に観て欲しくてご紹介しました。この投稿を読んでくださった方にもご覧頂けたら嬉しいです。

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