短歌むけに文法について書かれた本のリスト(仮)
「短歌 文法」とかのキーワードで検索すると、そこそこの数の本がヒットする。中には改版を重ねて売られている本もあるみたいだ。いわゆる「文語」の文法について知りたい人が、短歌の世界にたくさんいるんだろう。(たぶん俳句の世界にも。)
わたしは短歌の「文語」に興味があるから、文法をめぐって書かれた短歌の本もチェックしておきたい。とはいえ今のところ、こういう本から文法を学習するつもりはない。古典日本語の文法について書かれたちゃんとした本は他にある。わたしは歌人ならざるタンカーとして「へー、歌人はこう思っているのか」と感じる他者として読むつもりだ。
とりあえず目についた本をリストアップしてみた。基準はただ1つ、書名に「文法」が入っているかどうか。文法を扱う章があっても、短歌入門書などは入っていない。改版の関係が間違っているかもしれないけれど、とりあえずのリストだ。
生田蝶介『短歌文法七十講』生田蝶介作歌参考叢書第四編、立命館大学出版部、1929年
『短歌講座 第九巻:修辞文法篇』改造社、1932年
その改版本
『改訂版短歌講座 第三巻:修辞文法篇』改造社、1935年
谷馨・三河幸信『短歌の表現と文法』非凡閣、1946年
その改版本
谷馨・三河幸信『短歌の表現と文法』榊原書店、1948年
宮城謙一『短歌文法辞典』飯塚書店、1959年
その改版本
宮城謙一・碓田のぼる『短歌文法辞典』飯塚書店、1985年
飯塚書店編集部『短歌文法辞典 新装版』飯塚書店、2021年
西田忠次郎『短歌の表現と文法』えにしだ叢書51、金雀枝短歌会、1975年
奈雲行夫『作歌と鑑賞のための短歌の文法:実作手引・文法応用例・例歌鑑賞』清水弘文堂、1977年
中村稔『短歌文法覚え書』三人会、1980年
秋月豊文『短歌文法夜話』(私家版)1981年
森川平八『短歌文法入門』飯塚書店、1981年
その改版本
飯塚書店編集部『短歌文法入門 新版』飯塚書店、1994年
日本短歌総研『短歌文法入門 改訂新版』飯塚書店、2020年
麻生松江『短歌の実作と文法』短歌新聞社、1982年
田中順二『短歌文法入門:例歌鑑賞』短歌研究社、1982年
その改版本
田中順二『短歌の文法 1~3』佐賀ライトハウス六星館、1983年※点字
阪口保『短歌の文法』短歌新聞社、1983年
秋月豊文『短歌文法の諸問題』(私家版)1983年
秋月豊文『短歌入門読本:文法と添削』(私家版)1985年
飯塚書店編集部『短歌の文法1:活用語編』飯塚書店、1986年
飯塚書店編集部『短歌の文法2:助詞編』飯塚書店、1986年
その改版本
飯塚書店編集部『短歌の文法2:助詞編 新版』飯塚書店、2000年
木村隆『作歌文法入門』かぎろひ詩社、1987年
村松和夫『歌づくりのための文法』ほるす歌書、六法出版社、1990年
米口實『現代短歌の文法』短歌新聞社、1990年
その改版本
米口實『現代短歌の文法』短歌新聞社選書、短歌新聞社、2010年
秋月豊文『短歌文法論稿』(私家版)1991年
岩田晋次『短歌文法65講』京都カルチャー出版、1993年
島内景二『楽しみながら学ぶ作歌文法 上:助動詞篇』短歌研究社、2002年
島内景二『楽しみながら学ぶ作歌文法 下:動詞、形容詞、他さまざまな品詞篇』短歌研究社、2002年
藤井常世『 NHK短歌 短歌の〈文法〉:歌あそび言葉あそびのススメ』日本放送出版協会、2010年
今野寿美『短歌のための文語文法入門』角川短歌ライブラリー、角川グループパブリッシング、2012年
改版本や上下巻などをまとめても、23点の単行本が書かれていることになる。1980~1990年頃がいちばん盛んに出ていたようだ。今は手に入りづらい本も多いけれど、ひととおり目を通してみたい。
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