体重計
ずっと電池が切れたまま放置していた体重計。
ずっと目を逸らしていた自分の体重。
感じる見た目の変化、のしかかる腹の肉。
このままではいけない、と思った。
ついに計ろうと決心した深夜4時。
クローゼットの中から体重計をひっぱりだし、
電池を交換したその時、
何かがおかしい。
電池が全体的に少しどろっと溶けている。液は出ていない。しかしなにか違和感を感じる。
パラパラと粉がでてきた部分がある。
液は出ていない。
そう、マイナスの所にあるはずのぐるぐるのコイルがひとつ足りないのだ。おそらく電池が古くなり溶けてしまったのだろう。
困った。
これではせっかく意を決したのに体重を計れないじゃないか。
しかし、そこで諦めるようなわたしではない。
つまりこの電池と回路を繋ぐ電気を通すなんらかのぐるぐるが有れば良いのだ。
部屋の中を手当たり次第探した。いろいろ手にとってみたがいまいちピンとこない。クリップの間は取り外せないし、アクセサリーの一部も入れ辛い。しかし、なんとなく何処かに似たような物があったような気がする…
あ、ボールペンの中だ。
ボールペンの中のコイルを取ってはめてみた。中々苦しそうだがなんとか収まった。
感電しないかと少し不安に思い注意を払いながら他の電池もセットした。
いざ、スイッチオン
点いた。点いてしまった。
あんな錆びてても電気は通っていたんだな、単純な回路の電気機器って結構強い。
まぁ、点いてしまったのだから、あとは乗るしかない。
…
……
明日からこそはがんばる、がんばりたい、がんばろう。…がんばるはず。
それとコイルがとても窮屈で苦しそうだからペンチを買ってきて切ってあげよう。
というか今日も仕事だ、はやく寝ろ。
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