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【音楽系YouTuber向け】YouTubeで使っている音楽が「著作権侵害の申し立て」された場合の対処方法について(結果追記あり)

こんにちは。

ブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。

粍井です。



私は、音楽の趣味が高じて、譜面作成・販売活動をしています。

作った譜面を掲載して、購入いただけたら、販売料金の何割かが入ってくるというシステムです。

実際私も、たまにではありますが購入いただけているため、「耳コピ能力を使って趣味と実益を兼ねたい」という方には、おすすめの活動です。


で、現在私は、「Piascore(ピアスコア)」と「オケ専」の2つのサイト上で譜面を販売しています。



で、こういうサイトに譜面を載せるには、基本的に「YouTubeの参考音源」が必要です。

なのでまあ、YouTubeに参考音源を載せますよね。
こんな風に。




すると、どっかの知らん団体から、「著作権侵害の申し立て」をされました。


(「異議申し立ては審査中です」とありますが、異議を申し立てる前は「操作を選択」という表示になっています。)

もちろん、この音源は自分で作ったわけで、原曲をそのまま使ったわけでもありません。

何なら、YouTubeはJASRACなどの著作権管理団体と包括契約を結んでるので、「演奏してみた系」動画は全然問題ないはずなんです。
(音源をちゃんと自作した場合のみ)


それでも著作権侵害とはどういうことなのか。


色々調べて、最終的に「著作権侵害の申し立て」に対して「異議申し立て」を行ったので、その経緯を共有したいと思います。

著作権侵害の申立人が、「異議申し立て」から30 日以内に何も対応しない場合、動画への申し立てが取り下げられるそうです。


というわけで対応してみたところ、異議申し立てが全て通ったので、この記事に結果を追記しています!

※あくまで「私のケース」なので、皆さんが必ずしも同じ結果になるとは限りません。
ご了承ください。


なお、公式のYouTubeヘルプはこちら


YouTube投稿動画であっても編曲許可はもらわないといけない?

先程、「YouTubeはJASRACなどの著作権管理団体と包括契約を結んでるから、演奏してみた系の動画はOK」とお話しました。

でもそれは、超厳密なことを言うと「著作権管理団体下にある楽曲のメロディと歌詞は利用(=演奏・歌など)してOK」ということで、「演奏してみた系がOK」ということになるそうです。

つまり、「カバーによる編曲」については、厳密には「著作権管理の管轄外」らしいのです。

だから、「編曲した譜面を販売する」際には、楽曲権利者に許諾を取る必要があるってわけですね。



…ということは本来であれば、「YouTubeに演奏してみた系動画を上げるには、楽曲権利者に編曲(カバー)許諾を取らないといけない。」ということになります。

しかし、色んな記事や動画等で調べてもやっぱり、「YouTubeはJASRACなどの著作権管理団体と包括契約を結んでるから、演奏してみた系の動画はOK」の一点張り…。

いや、それならそれでありがたい限りなんだけど、何だかもやっとします。


もう少し調べてみると、「Content ID」というものを見つけました。

Content IDのおかげで「演奏してみた系」動画は…

YouTubeヘルプページの記載を引用しました。

著作権者は Content ID というシステムを利用することで、YouTube 上の自分のコンテンツを簡単に特定して管理できます。YouTube にアップロードされた動画は、コンテンツ所有者が提出したファイルのデータベースと照合され、スキャンされます。

著作権者は、動画に含まれるコンテンツと自分の作品が一致した場合にどのような対処をするか決定できます。一致が検出されると、該当の動画に対して Content ID の申し立てが行われます。

YouTube ヘルプ Content ID の仕組み


…ということらしいです。

楽曲権利者(著作権者)が「うちが権利を持ってる楽曲がカバーされてる!」と分かったら、そのカバー(演奏してみた系)動画に対して申し立てができるっていうわけですね(システム上自動でだと思いますが)。

そして、楽曲権利者は下記のような対応を取ることができます。

著作権者は、自分の Content ID と一致するコンテンツにどのような対応策をとるか選択することができます。
・閲覧できないよう動画全体をブロックする
・動画に広告を掲載して動画を収益化し、場合によってはアップロードしたユーザーと収益を分配する
・その動画の再生に関する統計情報を追跡する

YouTube ヘルプ Content ID に関するよくある質問

※URLはさっき上げたのと同じです。


私の上げている動画は特に何もされてないんですが、収益化は制限されています。
まあ、収益化はもくてきにしてないので、どうでもいいんですけどね。

とにかく、こういう安全策があるからこそ、「YouTubeに演奏してみた系の動画を上げるのはOK」ということになってるみたいです。

Content IDのルールができる前は、演奏してみた系動画も全てアウトだったみたいです。

参考記事はこちら


異議を申し立ててみた

私の場合、YouTubeは単純な作品置き場としてしか利用してないので、別に収益化を求めてるわけではないんです。

だから、「著作権侵害の申し立て」によって収益化が制限されていても、別に気にはなりません。

「音源は自作」という事実と、Content IDのルールがあるので、別にこのまま放置してても問題はないはず。

しかし、このまま「どっかのよう知らん団体」から「著作権侵害の申し立て」をされてるのも良い気はしないので、何件か異議を申し立ててみました。

なお、異議を申し立てる際の文面は、下記ブログをめちゃくちゃ参考にしました。
ていうかもはやコピペさせていただきました。
→いつの間にかリンク切れしてました。


パブリックドメインの曲

著作権の切れている曲はもちろん、侵害にあたらないはずなのに、「著作権侵害の申し立て」が発生している場合があります。

また、フリー音源を使った動画であっても、既存曲と似ているフレーズが検出されれば、「著作権侵害の申し立て」が発生する可能性もあります。

そんなわけで、「異議を申し立て」てみました。

【実際の問い合わせ文】
著作権期間は2018年12月30日より死後70年と定められております。
「亡き王女のためのパヴァーヌ」の作曲者であるラヴェルは、死後70年経過しており、既に著作権が切れている状態です。
当動画の音声は私自身で作成しており、動画に関する全ての権利は私が所有しております。
私はYouTubeのユーザーとしてルールに則り動画投稿を行っておりますので、著作権侵害の申し立てを撤回して頂くよう、お願い申し上げます。

これで通りました。


海外の団体が介入しているパターン①

パブリックドメインの場合でも起こりえますが、その曲と全然関係ないどっかの知らん団体が、不正に収益を横取りしようとするパターンもあるようです。

そんなわけで、こんな感じで異議を申し立ててみました。

【実際の問い合わせ文】
「フランスかぶれ」はJASRACが配信に関する権利を持っております。
<作品コード:710-4280-6>

JASRACはYoutubeとの間で著作権管理に関する包括契約が結ばれています。
著作権の使用料がYoutube側からJASRACに支払われている為、ユーザーがJASRAC管理楽曲を演奏した動画をYouTubeに投稿できます。

こちらの動画の演奏は私自身で行っており、演奏に関する著作権は私自身が所有しております。
(楽器の演奏はしておりませんが、自身でパソコンに音を打ち込んで制作しています。)

https://www.jasrac.or.jp/news/pdf/200703_muserk.pdf
上記ページに「JASRACとYouTube(Google)とは、JASRAC 管理楽曲を収録した動画の日本向け公開と日本国内におけるYouTubeの視聴等について包括契約を締結しています。
JASRACの管理する国内楽曲を収録した動画の海外向け公開と海外からの視聴については、JASRACが管理を委託する外国団体が管理します。米国内の利用については、Muserk社(Muserk Rights Management)に録音権の管理を委託しています。」とありますが、「フランスかぶれ」は国内楽曲ですし、私も国内向けに動画を公開しております。
そのためYouTubeとJASRACが包括契約している以上は二重で著作権料を取っているとしか思えません。私はYouTubeのユーザーとしてルールに則り動画投稿を行っておりますので、著作権侵害の申し立てを撤回して頂くよう、お願い申し上げます。

これで通りました。


海外の団体が介入しているパターン②

↑とちょっと違うパターンの文面でも異議を申し立てたので、参考までに。

【実際の問い合わせ文】
「ふたたび」はJASRACが配信に関する権利を持っております。
<作品コード:089-6623-1>

JASRACはYoutubeとの間で著作権管理に関する包括契約が結ばれています。
著作権の使用料がYoutube側からJASRACに支払われている為、ユーザーがJASRAC管理楽曲を演奏した動画をYouTubeに投稿できます。

こちらの動画の演奏は私自身で行っており、演奏に関する著作権は私自身が所有しております。
(楽器の演奏はしておりませんが、自身でパソコンに音を打ち込んで制作しています。)

今回の著作権者であるSony ATV Publishing, LatinAutorPerf, UMPG Publishing, LatinAutor – SonyATV, Polaris Hub AB, UNIAO BRASILEIRA DE EDITORAS DE MUSICA – UBEMは、海外の著作権管理会社や音楽出版社です。
当楽曲は国内楽曲で、JASRACが配信権利を持っているため、ユーザー側は収益を得ながら問題なく配信出来るはずです。
(当チャンネルは現段階で収益化は出来ませんが。)

私はYouTubeのユーザーとしてルールに則り動画投稿を行っておりますので、著作権侵害の申し立てを撤回して頂くよう、お願い申し上げます。

これで通りました。



本物の楽曲権利者だった場合(未経験ですが)

もしも、著作権侵害の申し立てをしてきている著作権者が、本物の楽曲権利者だった場合は、もう大人しく指示に従った方が良いと思います。

私は今のところ、どっかのよう知らん団体からしか申し立てされてないですけどね。


まとめ

今回対応した全ての異議申し立てが通りました!

今後もまた著作権侵害の申し立てをされた時は、同様の対応をしてみるので、もしも「異議申し立てが却下された」などの事件が起きた場合には、またブログにまとめて情報共有していきます。

また、私もまだまだ勉強中の身なので、誤り等にお気づきの際は、ご指摘いただけると嬉しいです。

私自身も、誤りを見つけた場合は、順次修正していきます。

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