短い記録291:即興小説トレーニング11日目
ごきげんよう、ナガセです。
ちょっと間が空いてしまった。
またがんばります。
【タイトル:歌詞にもならない】
なぁんにもしたくない日は鍋に限る。
あれこれぶちこんで、なんかこう、適当に調味料ダバダバして、えーと、煮る。
でも、きょうはそれすらしたくない。
食欲ねぇのよ、今日ばかりは。
昨日、いや今日。
日付変わってたから。
今日。
振られた。
3年7ヶ月付き合った彼女に。
もっとも最後の3ヶ月は、ケンカすら、その手前のささやかな反論すらしにくい関係になっていた。
「ケンカするほど仲がいい」は、けだし名言。
期待しなきゃ、喧嘩しないんだもんなあ。
どこでだめになったんだろうなあ。
3年目の浮気なんて懐メロがあって、その3年の記念日はちゃんとしたんだけどなあ。
ちゃんともなにもねえか、もうだめになったんだし。
鍋の残骸よりだめになったんだし。
ああーーー!
洗い物もしたくねーーーー!
なんで鍋は紙皿じゃ出来ないんだ。
火にかけるし、汁気があるからだよ。
気にかけてられん、知るか。
やめよう、不毛だ。
もうボケようと突っ込んでくれる人はいない。
シングルな俺に、もう波風すら立たないシンプルな昼下がりが今日からお友達だ。
……洗い物したくねえ。
ランプの妖精とか出てこねえかな。
ギリギリ落ちない位置に収まっているカレールーのパッケージを見ながらそう思う。
まてよ、自分でランプの精やればよくね?
オトナにはな、魔法のランプはなくても魔法のカードはあるんだぜ。
食洗機買えばよくね?
ずずりと寝返りをうち、スマホに手をのばす。
あと1センチ。
つつつと爪を揺らせど届かず。
「横着しないでってば」
空耳が聞こえる。
未練なのか執着なのか判別つかない気持ちの塊が、ど真ん中に居座っている。
あーあ、どうやってやり過ごすんだかもう忘れちゃってたのになあ。
(了)
800文字は安定して書けるようになりたいのよね、15分で。
今日はわりとよいとこまで行けたんじゃないか。
タイトル、気持ちの「仮死」とかけようかと一瞬考えて、止めた。
なんかMVでありそうな世界観になったなあ。
じゃあまた明日!
※ここから下はCMです
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