「神様からいただいたものは自信にならない」

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気分が落ちると本を読み漁る癖が昔からあるのだが、最近は言葉について知りたくて出会ったのがこの本。シンプルなデザインの見た目もいいが、何より「言葉にできない想いは本当にあるのか」。このタイトルがまた良い。いしわたり淳治さんという作詞を本業にしている方が書いているというのも、自分で曲を作る身としてはとても惹かれるものがあった。

まあ結果的に言ってしまうと「言葉にできない想いは本当にあるのか」という答えは最後まで読んでも見つけられなかったが、それでも二日もかからず読み終えてしまうほどには内容は面白かった。流行りから古い歌の歌詞のフレーズ、テレビや映画、小説などで気になった言葉やワードについてエッセイを書かれていた。それがなんとも「ほう、そんな見方があったのか」と新鮮な価値観を教えてくれたり、ふふっと笑ってしまうようなエピソードまであり、飽きることなく見れた。知識欲がかなり満たされる一冊でありました。

その中で特に刺さった高嶋ちさ子さんの言葉についてのエッセイ。

「神様からいただいたものは自信にならない」。

とあるテレビ番組で共演者に「そんなに美人なら、玉の輿に乗る道もあったのにどうして努力してバイオリニストになったんですか?」って聞かれた高嶋ちさ子さんが「容姿みたいな神様から頂いたモノは自信にならない。自分で努力して身につけたものだけが自信に繋がる」と答えたそうな。

なんて素敵な女性なんだろう、と思った。元から強い女性は好きだが、にしてもこの人は根本的に強い。見せかけだけじゃない。もしかしたら昔は弱かったかもしれないが、それを“自分”で”努力”で覆している。手に入れている。

果たして私は?

先日(と言っても三ヶ月ほど前)、初めてエッセイの仕事が来た。テーマに沿って貴方自身のエッセイを何文字以内で、と。腕が鳴った。長めにもらった締め切り期限に「そんなに時間要らないですよ」などと生意気に応えていた。

そのエッセイの仕事はどうなったか。
「またにしましょう」も、「もう少しこうしましょうか」などのコメントもないまま流れてしまった。完全な自惚れエッセイだけが残った。恥ずかしい。文章を書くのが好きだとか、いつかは脚本を書いてみたいだの言っていた自分を殺してやりたいくらいだ。そして何より、ちゃんと傷付いた。

毎日コツコツ筋トレをするみたいに、少しずつ文章を書くことを練習しようと思うよ。いつか自信になる日まで。

note、始めました。よければお付き合いくださいませ。

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