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【朝ドラ】「虎に翼(第10週)」~したくないのにスンってしちゃう感じ~

『おかえりモネ』にハマって以来、ほぼ毎回見ている朝ドラ。
(朝ドラ歴50年の母が酷評していたので『ちむどんどん』は見ていない…)

15分という短い時間にも拘らず、笑いあり涙あり、教訓ありの脚本と映像を創り上げているスタッフ陣は、本当にすごいと思う。
朝ドラを見るのはお母さん世代のおばさんだけ、という思い込みが子どもの頃からあったんだけど、ついに私もその敷居を跨いでしまいました。笑

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4月から始まった『虎に翼』も案の定とてもとても面白くて、毎週気づかされることが多いのだけれど、今週は、主人公・寅子の表情を見ていて胸がギュッとなりっぱなしだった。。

自分が何かに没頭していて無我夢中になれていた時を知っていたからこそ、そうでない自分を自覚している“今”が不甲斐ないし、辛いし、でもどうしたら良いのか分からない。
今までどちらかというと、純粋に「何であの人たちは周囲に合わせて自分を抑えてるんだろう?(ドラマ内では「スンっとする」と絶妙な表現)」と疑問に思っていたのに、いつの間にか自分も今そうなっている。
悪い訳でもない、誰に迷惑をかけている訳でもない、むしろ気持ちとしては周囲に貢献したい気持ちでいっぱいなのに、なぜか心と言葉と、頭がバラバラになっていっている感じ。

今週のトラちゃんはずっとしかめっ面・・

こういう状態に陥ることって、少なからずみんなあるんじゃないかな~と、見ていて思う。そしてこの状態の時って、本当に辛いのよ。。真綿でぎゅーーーーーっと締め付けられているような感覚。


梅子さんの言葉を借りながら、花岡くんは「どっちも猪爪。どんな自分でいたいかは自分で選ぶしかない。本当の自分を忘れないうちに」と言っていたけれど、「本当の自分」とか「なりたい自分」とかって、尊そうに見えて余計に人を迷わせる幻でしかないんじゃないかな。

「本当の自分」とか「なりたい自分」は?って聞かれると、頭を働かせて言葉にしようとする。でもきっと何かに無我夢中になっているときの自分って、頭での思考はいったん置いておいて、「なんかやっちゃってる」「自分では無意識的だけど得意に見えるらしい」という忘我の状態なんだろうな。

本能的・反射的な「好き・嫌い」がきっと根底にあって、トラちゃんの場合は、穂高教授から「法曹の道に誘ったことで君を不幸にしてしまって申し訳なく思っている」と、家庭教師の仕事を紹介されたことでこの根底に気づくきっかけが訪れたのではないかしら。(多分。真相は明日明らかに…!)

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あと今回の脚本で秀逸だなと思ったのは、トラちゃんがそんな自分の状態に悶々としながら、亡き夫である優三さんに語り掛ける言葉。

「優三さん、私はいま、どんな顔をしている?」

「私はどうしたらいい?」でも「今の私を見たら、あなたは何て言う?」でもなく、ただただ、一番信頼していて、自分の最高の状態もそうでない状態も知っている相手に「自分の表情」を観察して表現してほしいという願い。
自分の表情を反映してもらうことで自己客観視して、今後どうするかを考えていこうという思想が根っこにある気がして、お互いに自律しながら共に幸になっていこうとしたパートナーだったんだろうな~としみじみ。


明日以降の展開も楽しみだ🐯

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