新しい時代のワインづくりに期待・U35ミレニアル世代のワインアントレプレナー(東海岸編)
ワイン界にイノベーションを起こせるか
ワイン消費量は2008年のリーマンショックと同水準の2億4300万hlとされています。アメリカは2011年以降消費量1位のワイン大国となっています。
そんなアメリカはワイン新興国という扱いからすでにカルトワインを送り出すワイン大国としての地位を築き始めています。
アメリカといえばその多様性と創造性が成長の源泉であり、特に大学を中心に優秀な人材が周囲の産業創出に貢献しているというイメージがあります。
ワインにおいてもこれまでの経験的なワイン造りから、科学的なワイン造りが中心になり、味や見た目だけでなく、その耐病性や気候変動の変化にも対応した美味しいワイン製造のための技術革新が行われています。
一般的にはそうした新しい取り組みは若手のほうが柔軟に取り組みますので、米国のU35ワイン醸造家が注目されるというのは、世界におけるワイン造りの最先端を垣間見ることにもつながるでしょう。
今回はADVISER誌で紹介されている米国のU35ワイン醸造家をご紹介します。
Galer Estate Winery バージニア・ミッチェル
彼女はペンシルベニア州立大学で農学部にて食品科学を専攻。ワインに関心を持ったのは在学中のことで、2011年にはエリー湖周辺ではじめてのぶどう収穫を経験しました。
Mazza Vineyardsでインターンを行い、結婚を経てGaler Estate Wineryにてワイナリーマネージャーとして年間2500ケースの生産に従事しています。
現在29歳ということで毎年、新しい実験的なワイン造りを学習しています。
毎年同じ工業的な製品を製造するのではなく、多くの人々にとって記憶に残る経験を生み出すワインを作りたいということです。
Port of Lenonardtown Winery ローレン・ジマーマン
Port of Lenonardtown Wineryはボルチモアから南に100マイル離れた場所に位置しています。
34歳の女性であるローレンはカナダ生まれです。
カナダはとても寒いので冬はぶどう畑が凍りついてしまいます。ローレンはあたたかい地域をうらやましく思いメリーランドに移りました。
移住後、メリーランドだからといっていつでも暖かく晴れてるわけではないことを知ったということです。彼女の作るワインはメリーランド州の大会で7つの金メダル、最高賞を2つ受賞しました。
Beneduce Vineyards マイク・ベネデゥース
マイクはジャージー島でワイナリーを営んでいる男性です。
2010年にコーネル大学を卒業してからひたすらワイン造りをしています。
「ワイン造りに本当に正しいことも悪いこともないことを学びました」そう彼はいいます。「ただ何かを試し、結果を観察し、そして来年のためのプランを調整する」のです。
マスターソムリエの認定ソムリエで、ニュージャージー州でも最高の品質を保つワイナリーとして知られています。
「何よりも時間が必要」そう彼はいいます。
Casanel Vineyards ケーティー・デソウザ・ヘンリー
31歳のケーティーはバージニア工科大学で英語を専攻しました。
彼女は卒業後エコロジーとブドウ栽培に関心を持ち、家族でワイナリーに取り組んでいます。2006年に農場を購入し、2年後にワイナリーをオープン。
バージニア州のワイン産業が急成長しているなかで成長の機会を得ました。
2014年以降サンフランシスコのクロニクルコンペティションにおいて、2016年Carmenereがクラス最高性を受賞しました。
「品質重視のワイン栽培とワイン造りの実践のため、持続可能なぶどう畑およびビジネスモデルを構築すること」と彼女はいいます。
ナパバレーだけじゃない米国のワイン造りは若手が担う!
米国のワインと言えば「ナパバレー」
しかし、今回は東海岸のワイン造りに励む若手醸造家が紹介されています。
今までの王道から言えば決してベストな環境ではないかもしれません。
しかしながらその土地が育むぶどうから生まれるワインは、
その土地にしかないニュアンスを含みます。
これまでの美味しさの基準もワインの歴史のなかで長い歴史のあるフランスを中心に作られてきたものです。
飲む人が変われば基準も変わるなかで、新しいワインが多くのワイン愛好家の舌を先入観無しで楽しませてくれることを期待します!
https://wineindustryadvisor.com/2019/07/01/millennial-winemakers-the-future-of-mid-atlantic-wine
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