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石川啄木の命日「啄木忌」



地方紙のなかの花屑啄木忌   梨鱗


4月14日は、啄木忌です。
歌人・石川啄木の命日です。
彼の歌集「一握の砂」の中に、印象に残る歌がありました。

怒る時
かならずひとつ鉢を割り
九百九十九割りて死なまし  

この歌には、哀しみとユーモアがあります。
アイロニー(皮肉)ではなく、ユーモアだと感じます。
かすかだけど明るさのあるおかしみです。

勝手に歌の解釈をします。
啄木は癇癪を起します。
なんで分からないの?と叫ぶと、鼻先がツンと痛みます。
その痛みは哀しみです。甘えん坊の哀しみですね。
さすがに恥ずかしくなり、自分の小ささを認めざるをえません。
千まで鉢を割れるような男でないと悟るのです。

この歌のユーモアは、啄木が彼のみっともなさを
認めたところから生まれました。
おれって馬鹿?
馬鹿だな。
哀しみと背中あわせのユーモアでした。


啄木忌たまごが丸でむしゃくしゃと   梨鱗


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