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はる

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春の俳句をまとめました。
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2022年2月の記事一覧

カラマーゾフ家に立ち寄った者

僕のよく知っている人物の話をしようかな、と思います。 その前に、別の一家のお話を。 ロシアに「カラマーゾフ」という名の一家がありました。 昔々のことです。 父親のフョードルは、精神性の欠片もない最低の男です。 3人兄弟のうち、上の2人はフョードルを憎み、軽蔑しています。 たぶん虐待もあったんじゃないかな。 たまに訪れるわずかな幸せが、父親の心ない暴力によって 簡単に壊される家だったのだろうと想像します。 父の気性の烈しさに呼応するように、二人の憎しみも烈しい。 修道僧の修行

そろりそろりと春

2月になると、日脚が伸びたと感じずにはいられません。 春ですね。 寒いけど。 日があるというだけで、暖かい気がします。     前髪のそよぐ大路よ今朝の春     梨鱗 1月は寒に入ったと思うだけで、 ゲンコツのように体が縮こまっていました。 2月になれば立春だ、と待ち遠しくなっているのですから 俳句に上手い具合に操られています。 かつて旧暦で暮らしていた人たちは、 日差しも身体もほっこりした今時分が、新年です。 旧暦もわるくないですね。 とこうするうち、 日差しにほん