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スピッツ歌詞考察(第36回)雪風


【基本情報】

雪風
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
3分8秒

<リリース日>
2015年4月15日(40thシングル)※配信限定

<収録アルバム>
醒めない(2016年7月27日リリース 15thオリジナルアルバム)
CYCLE HIT 2006-2017 Spitz Complete Single Collection(2017年7月5日リリース)

<タイアップ>
テレビ東京系ドラマ『不便な便利屋』エンディングテーマ

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

まばゆい白い世界は続いてた また今日も巻き戻しの海を
エイになって泳ぐ

じゃれあってぶつかって大わらい 割れた欠片と同じ物を
遠い街まで 探しに行ったね

すごく懐しいだろ? 可愛らしいだろ?
あの日の温もり よみがえる
これでいいかな? ダメって言うかな?
雪風の中 問いかけてみる

現実と離れたとこにいて こんなふうに触れ合えることもある
もう会えないって 嘆かないでね

お願い夢醒めたら 少しでいいから
無敵の微笑み 見せてくれ
君は生きてく 壊れそうでも
愚かな言葉を 誇れるように

涙が乾いてパリパリの 冷たい光受け立ち上がれ
まだ歌っていけるかい?

雪風(作詞:草野正宗)

【考察】

歌詞からいろんな解釈ができると思いますが、私が受けた印象では、以下のような設定です。

登場人物は“僕”と“君”。
雪が強く降り積もる地域の病室で“僕”は入院中。
“君”は連日見舞いに来ており、病室のベッドの横で眠っています。
“僕”は直接会話が交わせない状態ですが、意識レベルで“君”に話しかけています。

まばゆい白い世界は続いてた また今日も巻き戻しの海を
エイになって泳ぐ

外はまばゆい白銀の世界が広がっている。
また今日も記憶の中をエイのように泳いでは、昔を思い出している。

じゃれあってぶつかって大わらい 割れた欠片と同じ物を
遠い街まで 探しに行ったね

じゃれあってぶつかって食器が割れてしまい、大笑いしたこともあった。
割れた食器と同じものを探しに、一人で遠い街まで行ったよね。

すごく懐しいだろ? 可愛らしいだろ?
あの日の温もり よみがえる

すごく懐かしい思い出だろ?
こっそり探しに行くなんて可愛らしいだろ?
あの日の温かい思い出がよみがえる。

これでいいかな? ダメって言うかな?
雪風の中 問いかけてみる

この食器でいいかな?
それじゃダメって言われるかな?
あの時も雪風が吹く中、自問自答していた。

現実と離れたとこにいて
こんなふうに触れ合えることもある
もう会えないって 嘆かないでね

“僕”はもう直接会話ができないけれど、こんなふうに心で会話ができている。
だから“僕”が死んでも、もう会えないって嘆かないでね。

お願い夢醒めたら 少しでいいから
無敵の微笑み 見せてくれ
君は生きてく 壊れそうでも
愚かな言葉を 誇れるように

お願いだから、目が覚めたら悲しい顔じゃなく、最強の笑顔を見せてくれ。
壊れそうでも“君”はこれから生きていく。
“僕”が放った言葉だって誇れるように。

涙が乾いてパリパリの 冷たい光受け立ち上がれ
まだ歌っていけるかい?

涙が乾いてパリパリの状態になっても、冷たい光を受けて立ち直ってくれ。
まだ生きていけるかい?

別の設定としては、“僕”が雪山で遭難して、死を覚悟したときに“君”のことを想い浮かべて話しかけているシーンを想像しました。
というわけで、テーマとしては「死」と「生」であると考察します。

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