見出し画像

スピッツ歌詞考察(第70回)SJ


【基本情報】

SJ
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗 編曲:スピッツ&亀田誠治
3分18秒

<リリース日>
2016年7月27日(15thオリジナルアルバム「醒めない」)

<収録アルバム>
醒めない(2016年7月27日リリース 15thオリジナルアルバム)

【MUSIC VIDEO】

【歌詞】

歌詞は下記のサイトでご確認いただけます。

【考察】

夢のかけらは もう拾わない 君と見よう ザラついた未来
正しいと信じた 歩みが全て 罪なこと 汚れたことだとしても

夢はもう追い求めない。
何が起こるかわからないけど、“君”と共に未来を歩もう。
それが正しいのだと信じている。
たとえそれが罪なこと、汚らわしいことだとしても。

蔑みの表通りで 笑顔のコツを覚えたよ
フワフワに癒される リアルな妄想に囚われて
軽蔑の眼差しで見られることにはもう慣れて、笑顔も出せるようになった。
妄想混じりかもしれないけど、“君”さえいれば癒されてフワフワな気持ちになれる。

そして見つけた そこだけ光り輝いてた 強く抱きしめて
夢のかけらは もう拾わない これからは 僕が作り出すから
そしてやっと出会えた“君”は、光り輝いて見えた。
強く抱きしめたい。
夢はもう追い求めない。
これからは“僕”が“君”の夢を作り出すから。

当たり前に近く さわれた法則も
迷わずに帰るための 小さい道標も
今宵の暖炉にくべて
当たり前のように近くにあった幸せも、安全に引き返す方法も、全て燃やして捨てる。

高みから もたらされ 幸せなフリができるような
夢のかけらは もう拾わない 君と見よう ザラついた未来
正しいと信じた 歩みが全て 罪なこと 汚れたことだとしても
いままで与えられてきた環境に幸せなフリをしていたが、そんな夢はもう追い求めない。
何が起こるかわからないけど、“君”と共に未来を歩もう。
それが正しいのだと信じている。
たとえそれが罪なこと、汚らわしいことだとしても。

登場人物は“僕”と“君”で、“君”に対する“僕”の想いが綴られています。
「夢のかけらはもう拾わない」の部分から、“僕”は何かしらの夢を持っていましたが、それはもう諦めようとしていることがわかります。
そして「“君”と見ようザラついた未来」と続けているので、先は見えないけれど“君”と共に未来を歩むことを決意したとわかります。
しかしそれは「罪なこと」や「汚れたこと」であり、「蔑み」の目で見られることなので、背徳感があることのようです。

さらに「これからは“僕”が作り出すから」の部分ですが、“僕”がこれから作り出すと言っているのは、“君”の「夢のかけら」です。
ということは、“僕”が何かしらの責任を取ろうとしていることが窺えます。

ではここで、タイトルの「SJ」は、何を意味しているのでしょうか。
以上の考察から、「SJ」=「処女」ではないかと推察します。
ストレートにタイトルを「処女」にするのもアレなので、伏字にしたと推察すると合点がいきます。

“僕”は既婚者で、当たり前のように近くに迷わずに帰るべき家庭がありますが、“君”の処女を奪いました。
それは罪深くて汚らわしいことなので、世間から蔑みの目で見られることですが、その責任をとるため、いまの家庭で夢見ていた幸せを暖炉にくべて燃やし、これからは“君”と未来を歩むことを決意します。

いや、クズ男やないかい!

というわけで、テーマは「性(=生)」でした。

(第69回)さわって・変わって←PREV|NEXT→(第71回)YM71D

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?