G検定 AutoML

株式会社リュディアです。今回は AutoML についてまとめてみます。

AutoML(Automated Machine Learning)とは、機械学習モデルのデータ準備、設計、構築を自動化するための手法や概念のことです。「Google が開発した AutoML」 という微妙な記載をしているメディアが存在するため Google のサービスと理解している方もおられるようです。しかしながら特定の団体のサービスを意味するものではなく一般的な手法や概念を指す言葉です。

従来は専門家が行っていた作業のうちどの部分を自動化するか?は多岐にわたりますが、データを収集しモデル作成までを自動で行うサービスを提供する AutoML が多いです。機械学習やデータサイエンスの非専門家の方が機械学習を容易に利用できるようにするために提供されているサービスと考えてください。また専門家にとっても単純な問題については AutoML を使えば効率的に業務を進めることができます。

以下、具体的なサービスを見ていきます。

Google の Cloud AutoML

AutoML の中で知名度は一番高いと思われます。2021年2月現在で大きく 5 つのグループに分類されています。詳細は上記公式ページで確認してください。

- AutoML Vision クラウドやエッジにおけるオブジェクト検出と画像分類から有用な情報を引き出す
- AutoML Video Intelligence 強力なコンテンツ検出機能と魅力的な動画体験を可能にする
- AutoML Natural Language 機械学習によってテキストの構造と意味を明らかにする
- AutoML Translation 言語を動的に検出し翻訳する
- AutoML Tables 構造化データに対する最先端の機械学習モデルを自動的にビルドしてデプロイする

Microsoft Azure Machine Learning

以下の 3 つの方式に対応しています。詳細は上記公式ページで確認してください。AutoML である、ということは全面に押し出しておらず Azure で利用可能な機械学習サービスとしています。

分類
回帰
時系列予測

IBM AutoAI with IBM Watson Studio

AutoAIは次のものを自動化します。詳細は上記公式ページで確認してください。

データの準備
モデルの開発
フィーチャー・エンジニアリング
ハイパーパラメーターの最適化

SONY Prediction One

専門家でなくても簡単に操作できデータから予測を算出するソフトウェアとのことです。今回の AutoML のまとめに入れるべきか迷いました。上記公式ページを見ていて AutoML と呼のでよいのか単なら統計解析パッケージかどうかがわからなかったためです。期間限定で無償利用も可能なようなのでまた時間のあるときに利用してみます。

AutoMLを利用することで非専門家にとっても機械学習の導入が簡単になりますが、一方で注意点についても喚起されています。例えば次のページです。

AutoML が普及すれば機械学習の専門家やデータサイエンティストが不要になるわけではないと警鐘をならしています。また AutoML を安易に適用しないようにと研究者たちが訴えています。Auto ML により機械学習導入への敷居は低くなることは容易に想像できますが何が問題なのでしょうか。

ミン・スンは人間の知識を完全に置換するものではないため、導入するプロセスを選別することが重要と書いています。AutoML の導入により十分なデータの裏付けがある反復作業や複雑すぎる作業を自動化することが可能となり、結果として人間は反復的な作業から解放され量より質が求められるタスクにより時間を割けるようになると言っています。

AutoML は人間によるミス、いわゆるヒューマンエラーを最小限に抑えることは可能ですが完全には排除できません。また間違ったモデルを導入した場合には問題は解決されません。人間をプロセスから排除することで効率という点で大きな利益を得ることができますが安易な導入を行うとより大きなエラーを引き起こす原因になる可能性があると言っています。

どのような世界でも導入への敷居が低くなると誤った利用をなされることはありますので AutoML についても同様な注意が必要ですね。

今回は AutoML についてまとめてみました。

では、ごきげんよう。


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