イコールシェア #2

リュディアです。イコールシェアについて理解するための第二回です。前回は例題の設定をしましたので今回は具体的な方法を見ていきます。設定部分だけ再度書いておきます。

9つのプロジェクトP1, P2, …, P9があり、投票によりどのプロジェクトを採択するか決めたい
総予算は1,000円
どのプロジェクトも実現には200円を必要とする
投票者数は100人

この例では投票者と書いていますので、有権者のうち投票しない人、という例外は存在しません。あくまで投票者が100人です。また総予算が1,000円で投票者が100人なので、一人あたりに割り当てられる予算は 1,000 / 100 = 10円です。そして投票結果は以下のようになったとします。

投票がA、つまりプロジェクトP1, P2, P3, P4, P5, P6に投票した人が20人いました。同様に投票がB, C, D, E, F であった人がそれぞれ26人、11人、9人、20人、14人であったとします。

では見ていきましょう。投票者の最も多いプロジェクトは66票を得たP4です。そこでプロジェクトP4に投票した66人でプロジェクトP4に必要な金額200円を負担すると考え、1人あたり200円/66人 = 3.03円を負担します。ここで重要なのはP4に投票したグループA, B, C, D の人の持ち分が当初の10円から3.03円だけ減るということです。次の図を見て説明した内容を自分でも追いかけてみてください。

では次に投票者数の多いプロジェクトP1を考えます。プロジェクトP1に投票した60人でプロジェクトP1に必要な金額200円を負担すると考え、1人あたり200円/60人 = 3.33円を負担します。同様にプロジェクトP1に投票したグループA, B, Fの人の持ち分が3.33円だけ減ります。次の図を見て説明した内容を自分でも追いかけてみてください。

では次に投票者数の多いプロジェクトP3を考えます。プロジェクトP3に投票した55人でプロジェクトP3に必要な金額200円を負担すると考え、1人あたり200円/55人 = 3.64円を負担します。同様にプロジェクトP3に投票したグループA, B, Dの人の持ち分が3.64円だけ減ります。ここで注意してほしいのはグループA, B の人の持ち分10円をすべて使い切ってしまいました。次の図を見て説明した内容を自分でも追いかけてみてください。

次に投票者数の多いプロジェクトを考えるときに分配された予算10円を使い切った人は考慮にいれません。つまりグループA, B の人の投票をなかったものとして、投票者数の多いプロジェクトを計算しなおすと赤字部分が変化しプロジェクトP7が次に検討すべきプロジェクトとなります。プロジェクトP7に投票した34人でプロジェクトP7に必要な金額200円を負担すると考え、1人あたり200円/34人 = 5.88円を負担したいわけですがグループ C, D, Fの人のうちDの人は残金が3.33円であり 5.88円を負担できません。そこでグループ Dの人は残金の3.33円を負担し、不足分は他のグループC, F に負担してもらうことにします。グループDが負担可能なのは 3.33円 x 9人 = 29.97円なのでプロジェクトP7に必要な額は 200 - 29.97 = 170.03円が残り必要な額です。

残り 170.03円をグループC, F で負担すると考え、1人あたり200円/(11+14)人 = 6.80円を負担したいわけですがグループFの人は残金が6.67円しかありません。先と同様にグループFの人は6.67円を負担し、残りのをグループCの人が負担すると上の図のようになります。イコールシェアでこの部分が複雑なのですがしっかりと理解してください。

そして最後です。前と同様にグループC, D, F の人の投票をなかったものとして、投票者数の多いプロジェクトを計算しなおすと赤字部分が変化しプロジェクトP8が次に検討すべきプロジェクトとなります。プロジェクトP8に投票した20人でプロジェクトP8に必要な金額200円を負担すると考え、1人あたり200円/20人 = 10円を負担します。グループEの人が予算を使い切りましたね。

これでイコールシェアによる投票が終了し最終的に採択されたプロジェクトはP1, P3, P4, P7, P8となります。私は順にステップを追いかけながら理解しましたが、面白い考え方だと思います。何よりもわかりやすいですし、いわゆる多数決ではないので多様な人の意見を反映しやすいように思います。皆さんはどう思われましたか?

では、ごきげんよう。

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