無線ネットワーク ZigBee

株式会社リュディアです。無線ネットワーク についてのまとめの続きです。今回は ZigBee についてまとめてみます。

WiFi, Bluetooth の次に ZigBee をまとめるわけですが前者2つと比較しますと知名度は低いと思います。ZigBee は ZigBee alliance により策定されています。ZigBee という名前はジグザク (ZigZag) に飛び回るミツバチ (Bee) からとられており、アドホックネットワークを強く意識していることが名前からもわかります。ここでアドホックとは特定の目的のためのという意味で、具体的にはセンサーネットワークを強く意識して設計されたものと考えてよいと思います。

WiFi が IEEE 802.11、Bluetooth が IEEE 802.15.1 といずれも IEEE に標準化委員会があったのと同様、ZigBee も IEEE 802.15.4 として標準化されています。Bluetooth と ZigBee はいずれも IEEE 802.15 となっていることに気づかれた方もおられると思います。IEEE 802.15 無線PAN (Personal Area Network) に関する規格策定グループで、その下に Bluetooth や ZigBee の規格策定グループが存在していることを意味しています。

利用周波数は 800MHz帯、900MHz帯、2.4GHz帯を想定して設計されていますが日本では ISM バンドとして許可されている 2.4GHz帯のみになります。

WiFi や Bluetooth と比較して何が異なるのでしょうか?以下の 5 つが ZigBee の大きな特徴です。

1. 短距離かつ低速データ向けに特化した規格であること。実際最大 250kbps、距離は屋内で最大数十メートル程度です。

2. 短距離かつ低速データに特化することで極低消費電力を実現

3. 短距離かつ低速データに特化することで低コストを実現

4. 短距離かつ低速データに特化することで電波状況が悪い時でも確実性の高い通信を実現

5. 1つのネットワークに最大で64,000個の機器を接続可能

ここまで読んでいただいて ZigBee と WiFi との違いはわかると思うのですが、Bluetooth 特に Bluetooth Low Energy (BLE) との違いは何なのでしょうか?どのように使い分ければよいのでしょうか?

まず1つはPC、スマートフォン、タブレットなどの市販品で ZigBee 対応の商品は存在しないことに注目してください。そのためこれらの製品と直接通信したい場合は BLE を使うことになります。

ではこれらの製品で ZigBee は扱えないのでしょうか?たとえば PC に USB 端子経由で外付け部品をつけてもよい場合は以下のようなドングルと呼ばれる部品で対応可能です。

また BLE ほど規格が厳密に決められていないためユーザがプロファイルとよばれる規格を独自に規定して利用することも可能です。産業分野で使うような多品種少量生産の場合は独自プロファイルで使ってることも多いです。逆に言うと Bluetooth や WiFi のように認証を受けた製品同士であれば何でもつながる、という状態にはなっていないと言えます。最近では ZigBee Certified Product という規格認証があるので、この規格認証を持つ製品同士の通信は問題ないと思います。

実際スマートフォンへの搭載が見送られていることもあって民生用で ZigBee に対応した製品はみかけませんが産業機器IoT の分野では広く使われている規格です。

では、ごきげんよう。



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