書評 安いニッポン「価格」が示す停滞

株式会社リュディアです。安いニッポン「価格」が示す停滞 を読みましたので感想です。書籍版と Kindle 版です。

もはや日本の物価が安すぎる話はメディアでもよくみかけるようになりました。この書籍は雰囲気ではなくデータに基づき実際に安すぎる日本の価格とそこから波及する将来の問題点について言及しています。知識として知っておくべき内容も多く良書です。

私自身も海外出張が多く、特に中国への出張では宿泊費や飲食費が10年前と比べて3倍程度になっている感覚があります。また米国、特に私の場合はシリコンバレーですが安いモーテルでも1泊2.5万で宿泊するのは困難な状態です。

テレビ番組でおもてなしがどうのこうの、とか日本は素晴らしい、だから外国人がたくさん観光旅行に来るといった情報を流すのはやめた方がよいです。日本や日本人であることを卑下する必要はないのですが、単に安くて、かつ値段の割に品質がよいから海外からの旅行者が多いだけであって日本文化が好きだから来ていると理解すると現状認識を誤ってしまう気がします。

今の子供たちが大人になったときには豊かになった東南アジアに家政婦として出稼ぎに行く必要があるかもしれないという内容もショッキングです。

私たちがまず正すべきは、現状、労働のために日本に来てくれている外国人の方には敬意を表することからではないでしょうか?日本でしか使えない日本語を勉強し、物価の安い、つまり給料の安い国に来てくれているのです。このような方たちが本当に日本や日本文化が好きで来日してくれているのではないか?その人たちへの仕打ちがあまりではないかと感じます。

とにかく子供たちのためには何をしてあげるべきか?と考えるためにも一読すべき書籍だと思います。

では、ごきげんよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?