2023年版情報通信白書より #13 ~ データセンター市場及び クラウドサービス市場の動向

リュディアです。2023年7月4日に総務省が2023年「情報通信に関する現状報告」(2023年版情報通信白書)を公表しました。少しずつ内容を見ていき皆さんとも要点だけ共有したいと思います。

今回は4章8節のデータセンター市場及び クラウドサービス市場の動向を見てみます。まず用語からです。データセンターは建造物とその内部の機材を含む物理的なものを指すと考えてください。建造物の中にはいわゆるサーバー、ストレージ、電源、エアコン、他に多数の什器があると思います。これらすべてを含めてデータセンターと呼びます。当初は巨大IT企業が自社のデータを守るために運用していました。それを社外にも公開してサービスとして提供するようになったものがクラウドサービスの始まりです。最初はストレージだけでした。どこにあるのかわからないけど、会社や個人のデータを置いておくと保存してくれるわけです。自分のPCに保存していると何年かに一度PCが壊れるたびに大変なことになりますしバックアップを取るのも煩雑ですよね。そのためストレージサービスとしてクラウドサービスが一気に普及しました。

その後は仮想化されたCPUを提供するといったアプリを実行するハードウェアも提供するサービスに変遷しました。特に Amazon の AWSMicrosoft の Azure が有名ですね。このように他社や個人にもサービス料と引き換えにサービスを提供するクラウドサービスをパブリッククラウドと呼びようになりました。パブリッククラウドの市場シェアを見てみましょう。

Amazon AWSではなくて Microsoft Azure が首位です。驚きました。そして米国系のクラウドサービスで全体の50%以上を支配している構図です。いつものことといえばそうなのですが、本当にこのあたりの分野は世界を股にかけて米国企業が支配し、中国企業が国内向けにサービスを提供するという構図が定型になってきました。

次にエッジコンピューティング分野です。データセンターが物理的に遠くにある場合、すべての処理をデータセンターに委ねると時間がかかるため、近くで簡単な処理を行い大規模な処理だけをデータセンターで行うという分業を考えます。そのとき、近くで行う簡単な処理を担当するのがエッジインフラと呼ばれる装置で、近くで行う簡単な処理のことをエッジコンピューティングと呼びます。処理に対する反応速度を上げることと、通信データの混雑を下げるという2つの意味を持ちます。

世界と日本のエッジインフラ市場規模の推移を見てみましょう。世界では2025年の予測が急増しているのですが、日本では急増は見られません。年平均10-13%程度の成長率が続く感じです。メリハリがない感じも日本ぽくてよいかもしれませんね。

では、ごきげんよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?