半導体産業について #8 前工程製造メーカー #3

株式会社リュディアです。今回も引き続き半導体産業についてまとめてみます。

前回までの 半導体産業についてのまとめ へのリンクは以下を参考にしてください。

引き続きシリコンファンドリーについてまとめてみます。今回は上位5社以外の小規模なシリコンファンドリーについて見てみます。以下のグラフに掲載されているのはTowerJazzPowerchip Technology, VIS, Hua Hong, Dongbu HiTekですね。他には Nexchip や日本のシャープ東芝も小規模ですがシリコンファンドリー事業を行っています。

最初は TowerJazz からです。もともとはタワーセミコンダクターという社名でナショナルセミコンダクターという会社のイスラエルにある工場が1993年に分社されたのが起源です。その後、2008年にジャズセミコンダクターと合併したことでタワージャズと呼ばれるようになりました。また 2014年にはパナソニックが持っていた前工程の工場を吸収しまたした。厳密には合弁会社を作っているのですが実質吸収です。

タワージャズは最先端のプロセスは扱わず高耐圧が必要な電源向けなどの特殊な回路専用の工場に強みを持ちます。最先端ではないので設備投資額も小さいため、またすべての半導体が最先端技術を要するものでもないので特殊用途向けのシリコンファンドりーにもそれなりにニーズがあります。

PowerChip はチップ製造販売も行う企業ですがシリコンファンドリー事業も行っています。タワージャズと同様に高耐圧が必要な回路、特に液晶ドライバーと呼ばれる回路専門の会社と言ってもよいです。台湾にあります。中国の合肥にある Nexchipも同様で Powerchip とつながりがあると言われています。

VISVanguard International Semiconductorの略で TSMC のグループ企業のような扱いです。TSMC は 300mm ウェハーを扱うのですが、以前は 200mm ウェハーの工場が主流でした。TSMC が最先端に向かっていくのに対し VIS が最先端ではない部分を取り扱うイメージでよいと思います。

Hua Hong は中国のシリコンファンドリーでうまく立ち上がってるのでしょうか。SMIC と違ってあまり情報が出回らないのでわからないのですが、売上順位で10位くらいには入ってるのでうまくいってるのでしょう。

最後に Dongbu HiTek です。韓国の財閥 Dongbu グループの半導体部門ですね。ここも高耐圧の特殊なシリコンファンドリーと考えてもらってよいです。

ここまでで上位10社です。日本でもシャープや東芝が使わなくなった古い工場でファンドリービジネスを細々と行っています。もう工場の減価償却も終わってますから顧客がいる間は動かせるだけ動かそうという感じなのだと思います。

今回でシリコンファンドリーについてのまとめは終わりにします。再度書いておくとシリコンファンドリーの業界は以下のようになっています。

トップは圧倒的に TSMC、少しあいて2位はサムソン、3-5位はグローバルファンドリー、UMC、SMIC の3社みつどもえ、それに特殊な用途向けの半導体を製造するための小さなシリコンファンドリーが続く

今回、TSMC とソニーが熊本に作る工場もシリコンファンドリーです。今の半導体不足の原因はこのシリコンファンドリー不足が1つ、他に後工程と呼ばれる製造工程部分も不足していることにあります。後工程についてはまた別途まとめます。

半導体産業について に関するまとめの続きは以下からどうぞ。

では、ごきげんよう。


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